プロレス界最大のお祭りであるレッスルマニアは、セットのデザインも規格外です。毎年開催されるレッスルマニアではいろんなことが起こりますが、それらはセットのデザインとともに記憶されます。成功に欠かせない要素の1つなのです。
WWEで長年セットデザイナーを務め、1998年開催のレッスルマニア14以降のすべてのマニアのセットデザインを手掛けてきたジェイソン・ロビンソンは、自身の仕事について次のように語っています。
(今年の開催地であるレイモンド・ジェームス・スタジアムについて)世界中のスポーツファンが一度は見たことがある会場だからこそ、俺たちの手腕が試されるんだ。どんなタイミングであれ、ファンはセットを気に入ってくれると思うよ。
この仕事をするにあたって、ポスト・イット・ノートを常に持ち歩き、スケッチするのがお気に入りでね。アイデアをいつ思いつくかは自分にもわからない。朝の3時かもしれないし、ショーの途中かもしれないだろ?たくさんアイデアを考えて、物事を正しい方向に進められていることがわかった時は仕事が楽しくてしょうがないよ。
デザイン・プロセス全体で見ると、一番好きな瞬間は「レッスルマニア開催前夜」だ。何ヶ月もかけてセットをデザインし、作り上げてきたものが静まり返るんだよ。会場での調査を繰り返し、数え切れないほどの時間をかけて計画を練り、最終リハーサルが終了するのは開催日の夜中だ。その瞬間、会場は沈黙に包まれる。照明に照らされたセットを静かに見て回ることができるんだよ。
これまでに担当したセットの中で、一番のお気に入りは2013年のレッスルマニア29とのこと。開催地ニューヨークを象徴するランドマークをモチーフにするというアイデアは超奇抜。しかし、実際にデザインしてみると、誰もが「これだ」と思うようなセットになったのだそうです。