21世紀のプロレス界を代表する大スターの1人であるダニエル・ブライアンは、度重なる脳震盪が原因で2016年に引退を表明。その後、2018年に現役復帰を果たしましたが、選手として試合ができない状態だった2年間は葛藤を抱えながら「タレント」として活動していたそうです。
Breacher Reportのインタビューの中で、彼は次のように語っています。
(2018年に)現役復帰の許可が下りなかったら確実に退団してたよ。多くの医師からOKが出ていたし、自分の能力にも自身があったからさ。復帰できたことには感謝してるんだけど、あの2年間はストレスが溜まることもあって……いや、こんな言葉じゃダメだな。「自分自身に失望した部分」というか。そういうのもあった。あの時期は周囲への態度が悪くてね。話題にしたくないくらい後悔してるんだけど、不機嫌な状態で仕事に臨み、「こんなとこ、クソだ!」と思いながら日々を過ごしてたんだ。どうしようもない状況を受け入れてベストを尽くすべきだったんだろうけど、そうできなかったんだよ。その瞬間は笑顔を見せていたとしても、「早く帰りてえな、こんなとこにいたくないよ」と頭の片隅で思ってた。
AJスタイルズとディーン・アンブローズの試合をリングサイドで見なければならない時があったんだけど、あれは本当に辛かったよ。心が折れたね。俺がやりたくして仕方がないプロレスを、一流の選手たちが目の前で楽しんでいたんだから、そりゃ傷つくよ。AJがWWEにやってきたのは俺が引退した後だから、彼とはWWEで試合をしたことがなかった。アンブローズも素晴らしい選手だし「なぜ俺は彼らとプロレスをできないんだ?」と思ってしまったんだ。本当に落ち込んじゃったんだけど、「自分が健康な状態だということを証明しなきゃ」と気持ちを切り替えることにつながったんだよ。反対するWWEに見せつけてやらなきゃならないと思った。ブリー(・ベラ)には、仕事に行く時と帰ってきた時で俺が別人みたいに見えていたんじゃないかな。まあ、WWEの立場で考えれば、俺の復帰に否定的なのは絶対的に正しい態度だったんだけどさ。
復帰後のDBは相変わらず素晴らしいパフォーマンスを見せています。また、SmackDownのクリエイティブ・チームでの影響力を強めることにも成功しています。最前線から退いた後も、彼の存在はWWEにとって必要不可欠なものになるでしょう。
(B/R)