AEWの勢いが止まりません。現地9月5日開催のPPV「ALL OUT」はWCW級のPPV売上件数を記録し、Dynamiteの18〜49歳の視聴者数・視聴率がWWE・RAWを上回り……。チケットの売上も絶好調です。
経済誌Bloombergのインタビューに応じたトニー・カーン社長は、拡大を続けるファンベースや好調の要因、なぜプロレスファンの支持を獲得できているのか…などを語りました。一部を紹介します。
AEWファン層の詳細な分析
AEWは若年層のファンが多いことが特徴の団体です。アメリカのテレビ業界では18〜49歳の視聴者数・視聴率が重視されており、Dynamiteがこの層の数字でRAWを上回ったという事実には大きなインパクトがあるのです。
トニーは、団体のファン層を分析し、次のように述べています。
若くて熱心なファンを抱えるのは非常に重要なことだ。安定して番組を見てくれるし、今年のDynamiteはケーブルテレビ局で放送されている番組の中でも若年層に対する成績がトップクラスだよ。毎週水曜日にチャンネルを合わせてくれるファンを本当に頼りにしてるんだ。
素晴らしい女性ファンもたくさんいる。ただ、割合として多いのは男性ファンで、19〜49歳の男性の視聴者についての数字は他を圧倒してるんだ。ファン層の軸になっているのは間違いないね。ただ、若い女性についての数字も上位に位置しているよ。
これは他団体との比較なんだけど、AEWのファンには裕福な人が多いらしい。もちろんバックグラウンドは様々だけど、大学教育を受けている傾向があるのも特徴だ。我々はスポンサーにとって非常に魅力的なファン層を持ってるんだよ。
人気拡大の要因とWWE
Dynamiteの放送が始まった2019年10月、番組のライバルはWWE・NXTでした。裏番組同士でレイティング闘いを繰り広げた「ウェンズデー・ナイト・ウォーズ」を制したDynamiteは、一部の数字でRAWを上回ることができるようになるほどの成長を続けています。
トニーは、プロレス市場のすべてをWWEがリードしているわけではない、と指摘します。
ある面ではWWEが市場をリードしているんだけど、AEWがリードしている面もある。最初のころは刃が立たなかったけど、最近は「戦える」と感じるようになった。理由はいくつかあって、テレビというフィールドでスポットライトを浴びてこなかった素晴らしいレスラーがたくさんいたこと、既存のプロレス番組に満足しておらず、選択肢を探していたファンがいたことが挙げられる。それが市場のシェア拡大につながったんだ。
WWEは月1回のPPVを開催しているけど、AEWはそうじゃない(年4回)。テレビ番組に集中してるんだ。3時間のテレビ番組(2時間のDynamite、1時間のRampage)と関連番組、そして育成コンテンツ(AEW Dark)を作ることに尽力し、四半期ごとのPPVに向けてストーリーを構築している。本当にエキサイティングな仕事だよ。PPVが近づくとファンのみんなの興奮が高まっていき、ストーリーへの関心も強くなっていく。そういう雰囲気を感じられるのがたまらない。
(参考: Wrestle Zone)