先日のDynamiteでは、ハングマン・ペイジとブライアン・ダニエルソンによる60分時間切れドローのとんでもない死闘が繰り広げられました。
ペイジにとっては初めてのAEW世界王座の防衛戦となったこの試合は、序盤から明らかに長期戦の様相を見せていました。ブライアンによる執拗な挑発があり、痛みが伝わってくるチョップの応戦があり……30分ごろにはお互いが試合を決めに行く瞬間もありましたが、ペイジは右腕、ブライアンは左脚に大きなダメージがあり、決定打を打てないまま試合は終盤へ。
大技を狙わないと勝てないと判断した2人はリスクの高いチョイスを続け、最後はペイジのバックショット・ラリアットが炸裂。これで試合が決まったかと思ったところで時間切れに…。試合時間があと5秒もあればペイジが勝利していたでしょう。まるで2017年のDOMINIONで行われたオカダ・カズチカ VS ケニー・オメガのようなクライマックスでした。
引き分けは王座防衛。惜しくもタイトルを逃したブライアンですが、まだチャンスは残っているようです。AEW社長のトニー・カーンは、2人の抗争について次のように語っています。
正直言って、ハングマン・ペイジとブライアン・ダニエルソンの間に今後何が起こるのか、ワクワクしているよ。まだ終わりじゃない。これだけは言っておくけど、ブライアン・ダニエルソンはまだAEW世界王座のナンバーワン・コンテンダーだよ。リマッチを見るのがとても楽しみだね。
AEWのタイトルマッチは再戦が少ないことが特徴で、AEW世界王座の場合はケニー・オメガとジョン・モクスリーのケースだけです(2020年12月にケニーがモクスリーからタイトルを獲得した後、2021年2月のPPV「Revolution」で悪名高い有刺鉄線電流爆破デスマッチでの再戦が実現)。もし2人の再戦が実現すれば、同王座史上2度目の再戦となります。
歴代チャンピオンの中で最も知名度の低いペイジにとって、プロレス界のビッグスターであるブライアンとの抗争は名前を売り名声を高める絶好のチャンスです。トニーもそれを望んでいるでしょう。うまくいけばAEWの黄金カードになるかもしれません。