プロレスにおいて、ヒールレスラーが果たすべき役割は大きなものです。
ベビーフェイスと敵対する悪役としての役割だけではなく、試合やプロモでファンを魅了するようなパフォーマンスを披露し続けなければなりません。ベビーフェイスにも求められる仕事ではありますが、ヒールを続けるのは精神的にも大変です。ヒールであることを楽しめなければ続けられないでしょう。
現在のWWEにおいて、若手ヒールの有望株としてスター性を発揮しているドミニク・ミステリオとブロン・ブレイカーは、最新のインタビューでそれぞれ「ヒールを演じること」について語りました。そこに共通しているのは、「楽しさ」です。
ドミニク:自分がクソ野郎だということを隠しながら生きてきた。自然と身についたんだよ。
ランス・ストームやジェイ・リーサルと一緒にトレーニングをしていた時、みんなは「君は父レイ・ミステリオのようなベビーフェイスになりたいんだろう。いいヤツになりたいんだろう」と思っていたはずだ。俺はヒールになりたかった。悪役になりたかった。だから、練習中は、たいていいつも悪役になりきっていたんだ。そのキャラクターを演じるのは、いつも楽しいことだったよ。
WWEでヒールのチャンスを貰った時は、「絶対に失敗しないぞ」と思った。[…]エディ・ゲレロ、ディーン・マレンコ、クリス・ジェリコ。彼らを見て育ったから、彼らのようになりたかった。
ブレイカー:正直、ヒールのほうが自然かな。俺に合ってるよ。キャラクターになりきる必要も、入り込む必要もない。ヒールのほうが自然で、自分らしくいられるんだ。すごく楽しいよ。
NXT王座のチャンピオンだったころ、その後半はみんなが俺と敵対し、態度を変え始めた。大変だったよ。遠慮してしまうというか、本心を隠すというか…なんと言えばいいのかわからないけど。最終的には、「もういいや」と思ってさ。この人たちからどう思われようが、好かれようが嫌われようが、気にしないようにしよう、って。