2022年6月から断続的に続く「ビンス・マクマホンが女性従業員や女性レフェリーなど、複数の女性に対して性的非行を働いた」…というスキャンダルは、ビンスやWWEに大きな影響を与えることになりました。
最近、元WWE女性従業員がビンスを相手に性的虐待や性的人身売買の被害を訴える訴訟を起こしました。連邦政府も調査に乗り出していることが報じられています。
ビンスはWWEの親会社TKOの重役を辞職し、性加害に加担していることが告発されたブロック・レスナーは当分の復帰が不可能と報じられ、ビンスと共に性的暴行を働いたとされるジョン・ロウリネイティス(ジョニー・エース)の弁護士は、彼もまたビンスによる支配の被害者だったという見解を表明しています。カオスです。
レスリング・オブザーバーによれば、元WWE女性従業員による訴訟の内容を読んだ1人のWWEスーパースターは、心理的に傷つき、悲しみを感じたといいます。その悲しみとは、「団体の全員がビンスの承認を得るために努力していた」という事実に対するもの。ビンスはその努力に値する関心や感謝を示さなかったことが、こうした形ではっきりしてしまったことへの悲しみです。
訴訟を起こした女性は、自分自身の苦しみへ対処するためだけでなく、声を上げることを恐れている人たちのための行動として訴訟を起こしたことを明かしています。今後、ビンスからの被害を訴える女性がさらに現れてもおかしくありません。こうした状況において、メルツァーは「女性選手たちの間に多くのトラウマがあった」とも指摘しています。名の知られた選手が名乗りを上げる可能性もゼロではないようです。
ビンスに対する訴訟は、レッスルマニア40でザ・ロック(ドウェイン・ジョンソン)とローマン・レインズが対戦するというブッキングにも少なからず影響したとされています。スキャンダルの余波はWWEのクリエイティブにまで及び、しばらく重くのしかかるかもしれません。
(Wrestling Observer, Wrestling Inc)