2019年に旗揚げしたAEWに対するWWEの対抗策が話題を集める中、「両団体の競争はプロレス界にとって良いことだ」とする意見が多く上がっています。
WWEとAEWでビッグスターとして活躍したブライアン・ダニエルソンは、WWEの徹底的なAEW対策への疑問を呈しつつ「競争がなければ今のコーディ・ローデスはないし、CMパンクもプロレス界に戻ってこなかったかもしれない」と指摘しています。お互いを意識しあい、相手を出し抜こうとすることでショーのクオリティが向上し、プロレス界全体のレベルが上がる…ということに異論は少ないでしょう。
レジェンドレスラーのJBLも、両団体の競争を歓迎しています。しかし、その観点はなかなかユニーク。自身のPodcast番組で、彼はかつてビンス・マクマホンが取り組んだいくつかの施策が「奇妙だった」とした上で、競争の大切さを語りました。
競争がある方が絶対に良い。ビンスが突飛なことをしたのは退屈していた時だ。WCWの視聴率が低迷していた時にボディビルサプリブランドのICOPROを始めた。その後、WCWが消えてからアメフトのプロリーグXFLを始めた。
競争がないと、クリエイティブな人間は空白を埋めようとする。でも、それをプロレスでやる理由はないんだよ。俺の意見では、競争がなければ危機感が持てない。ビンスは状況が悪くなると逆に「よし、やってやろう」と燃えるタイプだった。WWEを窮地から救うことが好きだったし、クリエイティブな人間は皆そうだ。だから、競争相手がいないことはビジネスに悪影響なのさ。
俺は、AEWが大きな脅威だとは思わない。競争としてどの程度かは意見が分かれるだろうが、それでもWWEは対応している。だから今の番組は絶好調だ。これはビジネス全体にとって大きなプラスだ。
二つの団体があることは重要だ。かつてWCWと競争していた頃のWWEでもそうだった。相手を打ち負かしたい、相手の番組を見て張り合いたい、自分がその主役になりたいと思った。競争がないと、もし失敗しても大して問題にならない。「今週は良くなかったけど、来週やり直そう」で済んでしまう。
競争がない時のWWEは、自分の中に競争を作ろうとした。ECWやNWAを復活させたりしたが、あまりうまくいかなかったよね。

(WrestleZone)
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