筋金入りのプヲタにして、AEW社長として団体を牽引するトニー・カーン。クリエイティブの最高責任者という重責を担っています。
彼の手腕には、「期待されているカードを出し惜しみしない」「プヲタの知識を活かした、ツボを抑えたブッキング」などが称賛される一方で、一貫性がない・突発的なストーリーや一部のレスラーにスポットライトが集中しがちな采配に批判が集まったりもします。
そして、元AEWジェイク・ヘイガーのように、彼に対して敵意を剥き出しにするレスラーまで現れるようになりました。元WWEライターのビンス・ルッソは、トニーの指揮における一つの問題点が「プロレスラーたちの哲学と絶対的に相反している」ことを指摘しました。
AEWの問題は、トニーが全員を満足させようとするところだと思うね。プロレスの世界じゃ、そんなことは絶対に無理なんだよ。絶対に無理だ。なぜなら、誰もが自分こそがトップに立つべきだと考えているから。もし自分がトップになるべきだと思わないなら、このビジネスにいるべきじゃない。
誰もが自分をトップだと思っているが、トップガイは一人しかいられないんだ。そして、ヘイガーがAEWで一貫性のないブッキングをされたのには、また別の理由がある。それは、トニーが全員のご機嫌を取ろうとしている…という問題だよ。
つまり、「今週は俺が勝ち、来週は俺が負ける。その次の週は勝ち、また次の週は負ける」ってことだね。そんなやり方じゃ、誰もスターになんてなれないよ。絶対に無理じゃないか。
団体を代表するような、突き抜けたスターが現れないのはトニーの采配に問題がある…。ハングマン・アダム・ペイジやスワーブ・ストリックランド、MJF、トニー・ストームらはAEWが生み出したスターの代表例ですが、さらにずば抜けたスターを輩出するようなリーダーシップを取る必要があるのかもしれません。ビンス・マクマホンとトニー・カーンのやり方が違うのは明らかです。



(Wrestling Inc)
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