AEWでコーチを務める大ベテラン、ビリー・ガンには言いたいことが山ほどあります。今のプロレス界はおかしい!
先日出演したPodcast番組で、彼は現代プロレスを徹底的に批判しました。若い世代のレスラーが基本的なストーリーテリングやサイコロジーを犠牲にして、ハイリスクな技に依存していることが我慢ならないようです。技を行う「理由」よりも技の量や難易度を優先する傾向や、エプロンサイドでの攻防が多すぎること、技の差別化ができていないことに苦言を呈しています。
過激な技のフェスティバル
俺はそんなクレイジーなことは教えないよ。だって、そんなことをしても、何かが起こるわけじゃない。同じことができる奴なんて100万人はいるし、全員がそれをやりたがっている。じゃあ、お前がスパニッシュ・フライをやるのと、あいつがスパニッシュ・フライをやるのとで、一体何が違うんだ?
デカい技をどれだけ出せるか、自分を殺そうとするか、頭から落ちるか、頭から落とされるか…そしてエプロンでの攻防。ただのノンストップ・フェスティバルだ。俺には狂気としか思えないし、理解できないね。
連中の頭の中では、リング内とは別物だと思っているんだろう。エプロンで技を受けても、リング内で同じ技をやるのと変わらない。全く同じ技だぞ。客はエプロンがリング内より硬いなんて知らないんだ。全部硬いんだよ。何が違うんだ? 今のレスラーたちは、そこまで過激にやらなきゃいけないと思い込んでいるんだ。理由は分からないけどな。
ストーリーテリングの衰退
彼は、身体能力への偏重が見られる現代プロレスには「試合における論理的なストーリーテリングの衰退」が起きていると指摘しています。
そこにはストーリーテリングがないんだ。ゴングが鳴って早々に……「外に出るから、そこで待ってろ。俺が客を盛り上げるからな。客は俺を見に来ているわけだが、応援させるために…技を見せてやるよ」って感じだ。正気の沙汰じゃないね。それからただ走って飛ぶだけだ。
俺はそれを棒立ちで見ている……。そこには何の努力も、「組み立て」も込められていないんだ。最近じゃ、誰も客の扱い方を知らない。一般的な試合の組み立ても分かっていないんだ。
誰も俺とお前のレスリングなんて見たくないんだよ。なぜなら、そこに対立がないから理解できないんだ。俺とお前の間に争いがないなら、お前を見て興奮するオタク以外は誰も興味を持たないさ。そいつらはお前の技を知っているからな。でも一般の客は違う。いくつか知ってはいても、全ての技を知っているわけじゃないんだ。
必要な対立なんて単純なもんだ。「おい、これはどうだ? 道を歩いていたら、お前が俺の妻の尻を叩いた」。これだけで、そこにはちょっとした…緊張感が生まれるだろ。そうすれば「妻に触ったお前をビリーがボコボコにするのが見たい」となる。戦う理由がなきゃいけないんだ。誰かが俺を好きになり、お前を嫌う理由が必要なんだよ。
今、レスラーたちを指導する難しさ
コーチとして指導しているレスラーたちは、ガンのフィードバックを受け入れているのか?どうやら、他人からのアドバイスが「自分の創造性」を抑え込もうとしていると感じ、抵抗するレスラーがしばしばいるようです。
俺が連中やトップ層を指導したり、交流しようとしたり、向こうからアドバイスを求められたり…。どんな状況でも、「ああ、俺が彼らのやりたいことを阻止しようとしていると思われてるな」ってことがよくあるんだ。そうじゃないかもしれないし、そうかもしれない。俺からは聞かないから分からないけどな。
彼らが俺にアドバイスを求めれば、俺は全てを話すし、いつだって残酷なほど正直に言うよ。お世辞を言うために話すわけじゃないからな。良くないなら、俺に聞くな。俺は「良くない」とはっきり言う。コーチとして、良くないものを推奨しても何の意味もないだろ。俺が「良くない」と指摘して、直し方を教えれば、お前は上手くなれる。そうすれば修正できるんだ。
どんな立場で試合をするとしても、開始直後にいきなり全部出し尽くすんじゃなくて、そこへ向かって構築していこう。そうじゃないと…連中の身体能力が高すぎて、客がついていけなくなるからな。
ベテランと若手の間で意見が対立するのはよくあることですし、過激な方向に変化していくことは「プロレスの進化」であることもまた事実でしょう。ただ、ガンのような立場のベテランたちが言いたいことも理解できます。


(WrestlingNews.co)
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