2019年10月に放送が始まったAEW・Dynamiteは、裏番組NXTとのレイティング戦争「ウェンズデー・ナイト・ウォーズ」に力を注ぐことになりました。NXTの放送曜日が火曜日に移動したことで戦争は終わりを告げましたが、お互いにとって「いい番組を作る」という大きな動機があったことはとてもいいことだったと思います。
レスリング・オブザーバーのPodcast番組に出演したAEW副社長のケニー・オメガは、NXTとの争いについて語りました。クリス・ジェリコとは異なり、彼は「ウェンズデー・ナイト・ウォーズはなかった」と考えているようです。
戦争についてどうこう思ったことはないよ。呼びたいなら「ウェンズデー・ナイト・ウォーズ」と呼べばいい。俺はそうは呼ばないけどね。
AEWがやることは、他とは違うストーリーや試合をファンに見せることだろうと思っていた。コントロールできるのはDynamiteに関する範囲のものだけだしね。ヤング・バックスも同じことを思っているはずだ。
確かに、NXTが火曜日に移ったのは良いことだと思う。でも、俺は「水曜日の夜のために戦っている」と思ったことがなくてさ、これは全面的な戦いなんだよ。1週間のうちにたくさんのプロレス番組があるわけだからさ。俺が1人のプロレスファンだったころ、一番熱狂的だった頃を思い出すと、「自分はプヲタだ」と思っていたのに今ほどのプロレス・コンテンツを見ていたわけじゃない。そもそも、今ほどコンテンツが多くはなかったんだ。本当の争いは「どうやって番組が放送される曜日の中でトップクラスの注目を集めるか」ということで、水曜日の夜のためではなく、1週間の中で戦っているんだよ。
素晴らしいプロレスラーはたくさんいるけど、ロースターの全員が素晴らしいアスリートであることはあり得ない。どうやって他の番組との差別化を図るか、自分たちに注目してもらうか。そのためにどのように違うことをやるのか。俺にとって、これこそがこのゲームの本質だ。NXTの選手たちのことは大好きだし、友だちもたくさんいる。彼らが頑張っているのを見るのは好きだし、素晴らしい試合があったという話を聞くのも好きだよ。
俺たちは視聴者を惹きつけようとしている。他のコンテンツのファンを奪うのではなく、新しい視聴者に番組を見てもらって、楽しい、面白い、ドラマチックだと思ってもらいたいんだ。そして、そう思った人が友だちにそのことを伝え、そこからさらに広まっていき、たくさんの新しい視聴者に番組を楽しんでもらいたい。プヲタはたくさんの番組を見てるから、彼らを奪おうとは思わないよ。ただ、俺たちのコンテンツも楽しんでもらいたいとは思ってる。彼らがファンの中心なのは間違いないし、新しいファンを惹きつけるという目的においてとても重要な意味を持つ存在だからね。
大衆を惹きつけるのと同時に「特別なもの、ユニークなものを求めている人たちを魅了する」のは大変だ。バランスを取るのが難しい。普通のプロレスとは一線を画すことを俺はやってる。それが新しいファンに届いたり、人々の心を打つことができればいいね。
ある団体の所属選手の1人であることより、団体を率いる存在であることのほうが「意識しなければならないこと」は多くなるでしょう。その中で激しい試合に身を投じるのは大変なことです。
でも、ケニーにしかできないことがたくさんある、ということをファンは知っています。これからも頑張ってほしいですね。どうか健康で……。
(Fightful)