WWEの中心選手として活躍したあと、2014年に若くして引退したCMパンク。彼の復帰を願う声は多く、WWEではたびたび「CM Punk」チャントが起きていました。「活動していない時期が長いことで存在が神格化されていった」……クリス・ジェリコはそう考えています。
AEWという団体の成り立ちを遡るにあたって、絶対に避けられないイベントがいくつかあります。すべての根源はプリンス・デヴィットがBullet Clubを立ち上げたことですが、2018年1月4日に新日本プロレス「レッスルキングダム12」で行われたケニー・オメガ VS クリス・ジェリコ戦はそれに匹敵するほど重要な出来事でした。
なんといっても、プヲタ青年の一人に過ぎなかった(ただし大金持ちだった)トニー・カーン社長はこの試合に触発されてAEW設立を考え始めたのです。選手側、The Elite側としては、ヤング・バックスとCodyの自主興行「ALL IN」の成功も非常に重要でした。しかし、大富豪のカーン一族をスポンサーにつけることができなければ、ウィークリー番組をTNTで放送することはできなかったかもしれません。
トニーの初期構想では、団体設立時のメンバーとして、ケニー、ヤング・バックス、クリス・ジェリコ、そしてCMパンクが必要だと考えられていました。2019年1月にAEW設立が発表された後、パンクがAEWに入団するのではないかという噂は度々流れていましたが、実現しないまま2年半の年月が過ぎ……2021年8月20日、ついにパンクはAEWのリングに上がったのです。現地時間9月5日、彼はPPV「ALL OUT」でダービー・アリンとの復帰戦に挑みます。
レスリング・オブザーバーによれば、ある時期のトニーとパンクの話し合いは全く埒が明かなかったそうで、お互いに相手のことを嫌い合うような状態にまで達していたとのこと。AEW側が「パンクとは絶対にビジネスをしない」と考える時期もあったのだそうです。Neverだと。
パンク曰く、今回の復帰に向けたトニーとの話し合いは1年半くらい前から続けられていたそうです。おそらく、両者の間に軋轢があったのは2019年までなのでしょう。プロレス界はNever Say Neverです。
(Wrestling Observer)