2019年にAEWが設立された後、人材流出を恐れたWWEは契約切れが近づいていた所属選手たちに対して高額での再契約オファーを出しました。
その時に再契約した選手の中には、新型コロナウイルスのパンデミックが起きた後のWWEが推し進める人件費削減のためのリストラの対象になった人もいます。例えば、The Good Brothers(カール・アンダーソン & ドク・ギャローズ)ですね。
当時のWWEスーパースターで、現在はAEWで活動するブライアン・ダニエルソンは、この時のWWEの「過剰反応」は「アメリカの企業の困ったところ」だと考えているそうです。TV Insiderのインタビューの中で「パンデミックが起きなかったら、プロレス界は今のような状況になっていなかったか?」と質問された彼は、次のように答えています。
すでに起きてしまったことへのifに注目したことはないよ。ただ、これは起きてしまったことへの自然な反応だと思う。わかっているのは、かつて通常の契約を結んでいた選手たちが、今では同じような契約を得られないということだ。
WWEの場合、AEWがスタートした時に過剰反応があったんだよ。ROHでCodyとヤング・バックスがホットな存在になっていた時もそうだったんだけど。全員と再契約しなきゃ、と思ってしまったんだね。「我々のビジネスは問題ない」と気づいたのは後の話。
AEWは彼らに追いつこうとしている。設立から3年未満の団体としては信じられないほどの成果を上げているよね。WWEは今も10億ドル以上を稼ぐ団体で、だからこそ選手を溜め込む必要はない。
人件費削減の対象になったのはレスラーたちだけではありません。スタッフも大勢解雇され、WWE Japanも解散してしまいました。
同じインタビューの中で、ブライアンはヤング・バックスがYoutubeで始めた「Being The Elite」が多くのファンの目をインディシーンに向けさせたことを評価し、縮小気味のインディシーンが再び活性化する可能性は十分にあることを指摘。しかし、ROHが所属選手たちとの契約を解除したように、保証された仕事を得られるのが難しい状況を嘆いています。