2021年末にAEWとの3年契約を満了したCodyは、その後もフリーエージェントとしてAEWへの参戦を続けました。サミー・ゲバラを相手にしたTNT王座の防衛戦に破れた後、彼は自らが立ち上げに深く関与した団体から去ることを決め、WWEへの復帰が有力視されています。
2019年、AEWは4人の男たちを中心に設立されました。新日本プロレスとROHでBullet Clubのメンバーとして活躍し、ユニット内にThe Eliteという派閥を作って独自の活動も展開していた、Cody、ヤング・バックス、ケニー・オメガです。4人はプロレス界に革命を起こすべく立ち上がり、団体の副社長として多忙な日々を送るようになりました。
Change The World。設立から4年、AEWはプロレスファンから熱烈な支持を集める団体となりました。4人の活躍はもちろん、クリス・ジェリコやジョン・モクスリーといったビッグネームの大暴れ、MJFやダービー・アリンら若手レスラーの台頭、志田光、サンダー・ロサ、ブリット・ベイカーを筆頭に盛り上がった女子戦線もファンから高く評価されました。2021年にはブライアン・ダニエルソンやCMパンクが入団し、誰もが目を離せない団体になったのです。
レスリング・オブザーバーのラジオ番組にゲスト出演したケニーは、CodyのAEW退団について語りました。トニー・カーン社長を含む5人のビジョンがそれぞれ異なっていたこと、ケニーとバックスのそれは似ていて、Codyのそれは異なる部分が大きかったこと……革命家たちの「ずれ」が改めて浮き彫りになる内容でした。
俺たちがAEWを始めたとき、この革命に最も情熱を持っていて、「我々 VS 彼ら」のメンタリティを作り出すことに最も熱心だったのはCodyだったんだよ。彼が団体を去る選択をするなんて、なんだか不思議な感じがする。とはいえ、考え方は変わるものだ。周囲の環境だって常に変わるしね。
振り返ってみると、おそらく、バックス、俺、Codyはそれぞれにビジョンを持っていて、それらはすべて違うものだったんだろう。俺のビジョンはバックスのものと似ているところがあったんだけど、Codyとは違う部分が多かったんじゃないかな。
(CodyのWWEへの対抗心が強い一方で、バックスは「WWEとは異なるプロダクトを作りたい」という思いが強かったことについて)Codyが自分のやり方で物事を進めていたとき、俺はそれをどうフォローすればいいかわからなかったし、興味もなかったんだよね。俺やバックスも独自のやり方でやってたし、Codyもそうだった。マルチバースみたいなものだ。
Codyはサウジアラビア行きの飛行機に乗ったと聞いてるよ。それが彼にとって幸せなことならそれでいい。繰り返しになるけど、俺とバックスは戦争をするためにAEWにいるわけじゃない。WWEにいるすべての人たちは、彼らがやるべきことをやっている。俺も彼らが最善を尽くすことを願ってるんだ。
旗揚げ興行「Double or Nothing」でのダスティン・ローデス戦。ステージに姿を表したCodyは、HHHを連想させる王座をスレッジハンマーで破壊するというパフォーマンスを披露しました。WWEではミッドカードの選手だと見られていた2人の試合はショーを完全にスティールし、マッチ・オブ・ザ・イヤー級の試合だと高く評価されることになりました。CodyがAEWに掛ける思いのすべてがここにあったのかもしれません。それがこのような展開を見せるとは…。
(SESCOOPS)