高い身体能力を武器にWWEで活躍していたエンバー・ムーン。日本のプロレスファンにとっては、無敵だったNXT時代のアスカの好敵手としてお馴染みです。2人の試合は本当にハズレなしでした。
メインロースター昇格後に苦労した彼女はNXTへの復帰を決断。ショッツィ・ブラックハートとのタッグチームで活動していましたが、ショッツィは1人でメインロースターに昇格することになり、ムーンは2021年11月に団体から解雇されてしまいました。
クリス・ヴァン・ブリエットのインタビューに応じた彼女は、WWEでの活動後期における苦悩を語りました。パフォーマーとしてテレビ番組に出演することだけではなく、バックステージにも不満があったようです。
メイクアップアーティストのところに行って、「私は不幸だよ」と言ったのを覚えてる。「私たちがどのようにしてセクシーな衣装を着るか」がテーマのバカみたいなミーティングに出席する必要があったんだよね。参加者たちを見て笑っちゃった。私は子どもたちの要求に応じなきゃいけない。2時間のミーティングの中で、マンディ・ローズのような衣装を着ることについて話し合ったからといって、網目でセクシーさをアピールするショーツを履くわけにはいかないわけ。そんなのフェアじゃないでしょ。マンディは本当に素晴らしくて、フェノメナールな人だと思うけど、誰もが彼女のようにできるわけない。HHHがNXTからいなくなった後、落ち目になっていくのを実感したな。
最初のうちは、その理由はわからなかったけど、HHHがいないことだけはみんな理解してた。私は腹が立ったよ。「私は悪いことをしてないのに。ビンスを怒らせたわけでもないし」って思ってたね。彼らは私からショッツィを奪い、HHHもいなくなった。「こんなことにはならないって約束してたのに。君を迷子にすることはないって言ってたのに。私の連敗はあなたたちを助けるためにやったことで、他の選手たちを育てるためのことだった。その見返りがもらえるはずでしょ」って。
私は不満だった。マンディ・ローズ化会議と、女性選手たちに露出の多い衣装を着るように指示があったことの間に、何かがあるのを理解した。そういう指示を嫌がった人たちが何人かいたんだけど、「いや、これは我々が望んでいることだから、君はそれに従わないと」って感じの態度だったよね。指示を受けた人がどう感じるかは関係なかったんだ。
HHHがいなくなったことやNXT 2.0へのリブートは、現場に大きな変化をもたらしました。ほとんどのケースにおいて、レスラーが解雇されるのは不幸な話題です。しかし、彼女の場合はネガティブなことばかりではなかったのかもしれません。「誰もがローズのようにできるわけない」というのはその通りで、選手に合わせたプレゼンをする必要があるはずです。個人が望まないのであれば、露出を増やすのは得策とは言えないような…。
退団後にAEWとの接触があったとされている彼女ですが、次に契約する団体では彼女が望むスタイルでプレゼンされるといいですね。