WWEとAEWの戦争はあらゆる側面で行われており、使える手段は可能な限り使って激しい争いが繰り広げられています。
レスリング・オブザーバーによれば、WWEはAEWの番組の視聴率が悪い時「だけ」メディアに速報版の視聴率をリークしているそうです。
この話は2021年にも報じられ、その時は対象の番組がRampageでした。放送が始まったばかりの頃です。通常、速報版の情報は調査会社ニールセンによる評価よりも低く出る傾向があり、実際の数字よりも視聴者・視聴率が低い…と思わせることができます。
現地10月14日に放送されたAEW・Collisionは速報版の数字がメディアにより報道されませんでした。レスリング・オブザーバーのデイブ・メルツァーは、特定のメディアに報じられなかったことは、実際の数字が優れているからWWEがリークしなかったということを示している、と指摘しています。
なぜこのようなことが起きているかというと、メディアにとって、速報版の視聴率情報を仕入れる唯一のソースがWWEだからなのだそうです。WWEは視聴率の研究に力を入れており、AEWが手にできない速報版の情報を入手できているのだそうです。
ちなみに、WrestleNomicsによれば、10月14日放送のCollisionの平均視聴者数は504,000名。主要層となる18〜49歳の視聴者数は185,000名でした。総視聴者数は前週から43%の、主要層では54%の増加があったそうです。8月以降では3番目にいい数字ですが、NXTや Dynamiteと比べると数字は見劣りします。
こういう話は面白くて好きです。WWEがこのような形でメディアを活用して情報戦を仕掛けるほど視聴率の研究を活かしており、10月10日のWWE・NXTとAEW・Dynamiteの直接対決でジョン・シナやアンダーテイカーをNXTに登場させた…というのは、普段以上に徹底的にやってやろうという強い意志があってのことだったのでしょう。
(Wrestling Observer, Cultaholic)