生放送番組を制作しているWWEでは、現場の責任者の意図や意見とは異なる言動が放送されることがあります。
WWEに多くの「禁止ワード」や「禁止技」があることは広く知られていますが、アナウンスチームの発言内容にも厳しいチェックが入ります。彼らの番組中の発言がビンスの怒りを買うこともありました。
カラーコメンテーターを務めるコーリー・グレイブスは、カート・アングルのPodcast番組にゲスト出演した際、「ハッピーホリデー」という言葉を使ったことでビンスに激怒されたという経験を振り返りました。
アメリカでは、クリスマスから新年にかけてこの言葉が使われることが増えています。クリスマスはキリスト教の行事ですが、多民族国家のアメリカにはキリスト教以外の信者も多数いるため、彼らへの配慮として「メリークリスマス」に代わって使われているのです。しかし、ビンスはこれを気に入りませんでした。
グレイブス:俺にとって、初めて「ビンスされた」経験は、2017年のクリスマスの夜にシカゴから放送したRAWだった。
実況のマイケル・コールと俺で、放送前に打ち合わせをしたんだよ。彼が最初に「Monday Night Rawへようこそ。みなさん、ハッピーホリデー」と言って、俺が続けて「メリークリスマス」と言う。それから番組の予定の話をし始めよう…って。オーケー、素晴らしい。次の展開に移るのに良いフレーズだ。
番組が始まり、コールは言った。「Monday Night Rawへようこそ。みなさん、ハッピーホリデー!」すると、即座にボスがコールボタンを押し、スタッフ全員に声が届く状態にしてこう叫んだんだ。「メリークリスマスだろ!ハッピーホリデーではない!」
その間、俺は「これから俺が言おうとしていたのに…」と思いながら、カメラの前で怒鳴られたよ。まるで動けない鹿のようになってしまい、「これで終わりだ、クリスマスの夜に解雇される」と思った。
もちろん、番組が終わった後、ビンスは「あはは、よかったよ。ありがとう、みんな」と言ってたけど…あれは怖かった。心臓が何回か飛び跳ねたよ。
(Fightful)