2019年にAEW旗揚げの中心人物となり、2022年にWWEへ移籍したコーディ・ローデス。
一時は切れ者の副社長として強い存在感を示していましたが、いつしかファンから嫌われる存在となり、失意のまま退団することになりました。
WWE移籍後の彼はAEWへの批判を極力避けてきましたが、クリス・ヴァン・ブリエットによる最新のインタビューでは、複雑な感情をあらわにしています。
AEWでの終わり方は本当に最悪だったね。いずれ誰かが本を書いて、こういった話が表に出てくるだろうし、そうなったら状況は一変するだろう。
自分をバットマンに例えるつもりはないけど……重要なことがある。一部のAEWファンには、「彼らは俺を望んでなかった、追い出したんだ」っていうストーリーが必要なんだよ。「あいつはダメだった」っていう話が。俺を悪役にしたがってる。
でも、俺はそれを受け入れることにしたんだ。そもそもAEWに対して敬意を持ってるからね。AEW設立のきっかけになった2018年のAll Inを開催するのがどれだけ大変だったか、AEW旗揚げ興行Double or Nothingのあの感覚がどれだけ信じられないものだったか……。トニー(・カーン社長)がこのビジョンに投資してくれて、彼自身もビジョンを持っていたことがどれだけ幸運だったか、そういうことを考えるとね。
些細な諍いがあったにせよ、俺はいつもAEWに愛着を持ってるよ。ブロディ・リーの最後の試合をする機会を得たし、若い選手たちを舞台裏でリードすることもできた。だから、愛着があるんだ。
AEWのことは愛情を込めて覚えてるけど、同時に去ることも分かってた。一つの季節みたいなものでさ。永遠に続くものじゃないし、自分にはもっと大きなものが待ってると分かってた。これを聞いて否定的に感じる人もいるかもしれないけど、そうじゃないんだ。プロレス界最大の賞がそこにあったからね。
AEWでの時間には敬意しかないよ。技を磨くことができたしね。WWEに来る直前のAWAでのハルク・ホーガンみたいなもんだ。エネルギーがあった。ルネッサンスが起き、それは一つの団体に留まるような話じゃなかった。全てがそこにあって、俺はそれを愛してる。そして、AEWでの日々を経てWWEのレッスルマニアに戻ってきたとき、完全なパッケージになって戻ってこれたと感じたんだ。
また、彼はヤング・バックスへの複雑な思いも語っています。2018年のAll Inを共同で開催し、AEWでは共に副社長として活躍した間柄ですが、バックスが書いた回顧録「Killing The Business」に書かれた一節に傷ついたことを明かしました。
ヤング・バックスの本で、「彼が最後にAEWとの契約にサインした」って書いてあるのが嫌だったな。それって大きな問題なんだ。
AEWを盲目的に擁護する人たちがいるけど、彼らは自分たちが商品の魅力を高めるどころか、逆に人々を遠ざけてることに気づいてない。あの本からよく引用されるのがそこなんだ。「あいつは最後だった、AEWの起源にそれほど重要じゃなかった」ってね。
違うんだ。AEWのカメラの外にいるこの男が、トニー・カーンという人物に最初に会った人間なんだ。しかも、俺たち全員のための審査プロセスの中でね。だから、そうだな……確かに俺は一番最後にサインしたかもしれない。考えも違ったし、彼らが言ってることが間違いってわけじゃない。うん、間違いじゃないけど、俺だって他のみんなと同じくらいAEWの設立に深く関わってたんだ。
(Wrestling Observer)