2018年にパートナーシップを締結したWWEとサウジアラビア。現地の文化的・宗教的背景により、女子選手の試合には制限が設けられてきました。
サウジでは女性の人権が制限されており、そもそもパートナーシップの初期においては女子の試合すら認められず、選手たちは歯がゆい思いをしてきました。その後、肌の露出を避けたリングギアを着用した上での試合が許可され、2025年6月のNight of Championsではジェイド・カーギルとアスカが対戦しました。
2027年のレッスルマニア43がサウジで開催されることを受けて行われた記者会見で、WWE女子部門のトップ選手であるビアンカ・ブレアは、この決定が女子プロレスにどのような意味を持つのかについて「サウジアラビアは、女性にとって素晴らしい瞬間を作れる特別な場所だ」と発言。しかし、上記のような制限が設けられていることなどから、この発言に一部で批判の声が上がっていました。
名物番組Busted Open Radioに出演したAEWの女子レスラー、サンダー・ロサは、上記のブレアの発言に対して批判的にコメント。WWEの女子選手たちがサウジで試合をすること自体の進歩は認めつつも、社会的な変化をもたらすとは思えないと主張しました。
サウジは金を出す。だからショーを見せる。それだけだ。決定権はステークホルダーにあり、WWEは言われたことをやるしかない。
それに、WWEが何をしようとも、サウジでの女性に対する見方は変わらないよ。歴史的な宗教観や文化に根ざしているんだから。
女性が自由に海外に渡航すること、車を運転すること、サッカーの試合を現地観戦すること……。以前はあった制限が徐々に撤廃されているとはいえ、やはりサウジにおける女性の立場は大変なものです。WWEスーパースターが素晴らしいパフォーマンスを見せることで何かが変わっていくことに期待する声もありますが、難しい問題です。
(WrestlingNews.co)
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