プロレス界では出自などに関するステレオタイプ的価値観がまかり通ってきました。例を挙げればキリがない領域ではありますが、最近の例でいえば、WWEのムスタファ・アリの場合、プロレスラーとしてデビューする時にムスリムであることを理由に悪役のキャラクターを提案されたり、サウジアラビアの王子ギミックで活動することを求められたりしたとインタビューで語っています。
2019年も終わりに近づいている中、こうした価値観は今もなお生き続けているのでしょうか?「大きく変化している」と主張するWWEのサミ・ゼインは、インタビューの中でこう語っています。
私個人としては、それはこの世代の好きなところの1つなんだ。中邑真輔のギミックは彼が日本人であることに基づくものではない。私と同じようにね。両親はシリア人だけど、ターバンを巻いたり、アイアン・シークのように振る舞ったりはしない。私は偶然アラブ人なだけのパフォーマーなんだ。
出自を活かしたギミックで活動するレスラーもたくさんいますが、重要なのはそれが押し付けられたものなのかどうか、本人が納得しているのかどうか。ムスリムであるという理由からヒールキャラを押し付けられたアリは、アラブの王子様ギミックがプロレスファンの子どもたちにステレオタイプな価値観を植え付けるということを理解し、このギミックを捨てたといいます。
ゼインも中邑も、そのキャラクターは彼らにとても似合っています。個性を活かしたギミックが理想的なのでしょうね。
(参考: Wrestling-Edge)
あわせて読みたい
【AEW】ケニー・オメガが活躍しきれていない現状について語る。「いつか自分の時間が来る」
新日本プロレスでの活躍ぶりから、世界一のレスラー候補の1人として挙げられることが多異ケニー・オメガ。"Full Gear"にゲストとして参加したグレート・ムタ(素顔)も「AEWのエ...
【ROH】ケリー・クラインの事実上の解雇、ジョーイ・マーキュリーの告発をめぐる騒動について、所属レスラーたちが語る
先日、現役WOH王者のケリー・クラインが、現在の契約を更新しない旨をROHのCOO、ジョー・コフからメールで通告されるという出来事がありました。この件は元プロデューサーのジョーイ・...
【WWE】コリー・グレイブスとマウロ・ラナーロの間でガチ抗争が勃発。コメンテーター同士のいざこざはなぜ生じた?
SmackDownのコメンテーターを務めるコリー・グレイブスと、NXTの実況アナウンサー、マウロ・ラナーロの間でガチ抗争が生じています。 ことの発端は、グレイブスがTwitterに...