WWEのメインブランド、RAW & SmackDownはそれぞれ別のテレビ局で放送されています。RAWはNBC系のUSA Network、SmackDownはFOX。別ネットワークということもあり、WWEは気配りに敏感です。
一方、AEWはワーナーメディアの一員です。現在、DynamiteとRampage(2021年8月から放送開始)はTNTで放送されていますが、2022年1月からDynamiteだけが同系列のTBSに移動します。2つの番組が同じネットワークの中で放送されるため、番組の内容を密接にリンクさせることができます。
「2022年から放送局が変わる」ということは以前から知られていましたが、元々は2番組ともTBSに移動する予定になっていました。これは、ワーナーメディアがNHLの放映権を獲得したことで、Dynamiteが放送される水曜日の夜にTNTがNHLの中継を担当する可能性があることを考慮した決定です。
しかし、最近になって「DynamiteだけがTBSに移動し、RampageはTNTに残る」と発表されたのです。なぜ計画は変更されたのでしょうか?
レスリング・オブザーバーによれば、TNTはRampageの成功ぶりに驚いているとのこと。同番組は金曜夜10時から放送されていますが、TNTはこの時間帯でのレイティングに苦しむ傾向にありました。しかし、Rampageの放送開始後は以前と比べ18〜49歳の視聴率が2倍に伸びているのだそうです。Rampageの放送開始により大きな利益を得られるようになったんですね。水曜とは異なり、金曜の夜にNHLやNBAといった人気スポーツ番組が放送されることはないため、強力な競合番組に邪魔をされることなく安定した数字を確保できることもTNTにとっては魅力的です。
また、AEW社長トニー・カーンがTNTとTBSの両方で番組を持つというアイデアを気に入ったため、RampageがTNTに残すことが決まったとのこと。
CMパンクをRampageで復活させるといった力の入れ方が功を奏した形ですね。
(Wrestling Observer, Cultaholic)