2017年にWWEへ復帰し、2020年3月にAEWへ移籍したマット・ハーディー。彼はWWEのクリエイティブ面について不満をもっており、それがAEW移籍に繋がったとされています。
AEWのPodcast番組「AEW Unrestricted」に出演した彼は、WWE退団直前の出来事や、AEW移籍を決断した背景を語っています。
(WWEは)誰もAEWに行かせたくない、という感じだったね。雰囲気というか、考え方というか。俺にも良い金額のオファーをくれたよ。でも、レスラーとして適切に扱われることも大事だと思った。ビンス(・マクマホン)とベテランレスラーの間にはさ、何かあるじゃん。俺が思うに、トニー・カーン(AEW社長)はベテランが成功できるように配慮したり、彼らの努力と才能を最大限に活用できるようにしてくれる。(退団前に)ビンスと少し話をした時に思ったのは、彼は俺に少しは試合をしてほしいと思っていたけど、いろんな役割で使おうとは思ってなかったってことだ。
チャンピオンになりたいと思ったことはない。なりたくない。その必要もないしね。俺は他人たちと一緒に仕事をしたり、若手を助けたり、自分自身の重要性を保ったり、そういう良い役割を果たしたいと思っているんだよ。ただ、ビンスは「そうだね、でも君にはバックステージのプロデューサーもやってほしいかな」と言った。そういう考えが彼の中にあったんだ。
プロレスができるうちはプロレスをしたい。この仕事ができるのはあと数年だってことはわかっているし、現役でいるうちは金を稼げるし。プロレスは俺の夢であり、情熱であり、愛するものなんだ。俺の子どもたちが少しずつ大きくなる中で、できる限りのことをしたい。俺がプロレスをしている姿を子どもに見てもらうのは、俺にとっても本当に素晴らしいことだからね。現役は絶対に続けたいと思ってた。
時は過ぎ、俺は契約書にサインをしなかった。彼らは言ったよ、「OK。しばらくテレビには出さないようにするよ」って。「構わないよ、大したことじゃない」と伝えたのを覚えてる。そしたら、今度は「まだサインしないの?サインすればまたテレビに出られるよ」と言ってきたんだ。結局、彼らは俺をテレビに連れ戻し、若手と仕事をさせ、彼らを勝たせた。大したことじゃない。どうなろうが、俺はマット・ハーディーだ。どっちに転んでも大丈夫。みんな俺のことを知ってるよ。俺は十分にやった。地位も築いた。この事実だけは変えられない。
俺に再契約を迫るためなら何でもやる、って感じだったね。試合に負けさせる、テレビに出られなくなる、とかさ。そして最後の最後にはランディ・オートンと仕事をさせるという、彼らにとっての神頼みみたいなことをやってきた。これからのWWEでの活動に期待を持てるようなものもあったし、本当に素晴らしい金額の契約オファーもしてくれた。感謝しているよ。ただ、ビンスは俺をプロデューサーにしたいと目論んでいたからね。最終的にはそれが大きかったかな。ビンスが考えていることはいつか実現するんだ。
それで、俺はヤング・バックス(AEW副社長)やトニーと話をしたんだよ。限られたスケジュールで試合をすることだったり、他のレスラーのスポークスマンになる可能性など、いろんなことを話した。トニーは素晴らしかったね。敬意を持って話をしてくれた。トニー・カーンという男は、プロレス界で成功した人たちにとても敬意を持っている。話し方、接し方、ブッキング、すべてにおいてそうだ。彼と話ができてよかったよ。
マットは3人との話し合いでAEW行きを決めたそうです。現役に強いこだわりがあったのであれば、WWEを去ることは避けられなかったでしょうね。レジェンドやベテランに対するAEWの扱い方は本当に素晴らしいと思います。