大富豪が不倫相手との関係を解消するために大金を支払う。週刊誌やドラマではたまに見る出来事ですが、実際に起きるとびっくりするものですね。
ウォール・ストリート・ジャーナル誌のスクープです。同誌によれば、WWEの最高責任者ビンス・マクマホンは不倫相手(元WWE社員)との関係を解消するために秘密裏に300万ドル支払うことに合意したそうです。その事に対し、WWE役員会が調査中とのこと。2022年1月に交わされた和解案では、不倫相手はビンスとの関係について公言することや、彼を中傷することを禁じられているようです。
役員会のメンバーがこの件を知ったのは、ビンスの不倫相手の友人を名乗る人物からの匿名メールがきっかけでした。女性はパラリーガル(弁護士の業務を補助する者)として10万ドルの給与で働いていたものの、ビンスと不倫関係になってからは給与が20万ドルに上がったそうです。また、2021年、ビンスは彼女をタレント・リレーション部門責任者のジョニー・エースの下で働かせる決定を下した時、彼女を「おもちゃのようにエースに渡した」とのこと。
次第に恐怖を感じるようになった彼女は団体を去ることになるわけですが、匿名のメールによれば、ビンスや弁護士は「何百万ドル」もの金銭を支払うことで彼女の口をつぐませました。この「何百万ドル」は、役員会による調査の結果、300万ドルだと判明したようです。役員会が入手した和解案(事実上の秘密保持契約)のコピーによれば、前払い100万ドル、残りの200万ドルは5年の分割払いになっています。
また、ビンスに関する秘密保持契約は他にも複数あり、役員会の調査の結果、ビンスとジョニー・エースに対する元WWE女性従業員からの職権乱用の訴えも含まれていたそうです。
役員会の調査を率いているのは、WWE社長のニック・カーンです。ウォール・ストリート・ジャーナル誌の取材に応じたWWE広報担当者は、「調査に全面的に協力する。元従業員とビンスの関係は合意の上だった。WWEはこの疑惑を真摯に受け止めており、適切に対処していく」とコメントしています。
ビンスの弁護士であるジェリー・マクデヴィットによれば、ビンスの不倫相手とされる女性の主張は「ビンスからハラスメントを受けた」というものではないそうです。また、彼女が退団する際、WWEは金銭を一切支払わなかった、とも述べています。
調査が進むにつれて新たな事実が判明し、真実にたどり着くことになるのでしょう。それにしても、こういう話題は出てこないに越したことはないのですが、秘密保持契約がまだまだあり、ジョニー・エース絡みのものもあるというのが気になります。あと、調査のトップがニック・カーンだというのも…。
(WSJ)