AEWと新日本プロレスの合同興行「Forbidden Door」は大盛況でした。
ファンからの評判は非常に良く、ウィル・オスプレイ VS オレンジ・キャシディというマッチ・オブ・ザ・イヤー候補級の試合も生まれ、収益も十分。新日本にとっては久々のアメリカでのビッグイベント開催となり、レスラーたちも楽しんでいたようです。
ショーの開催に大きく貢献したのが新日本のロッキー・ロメロです。彼は両団体の間を行き来して意見をまとめ、お互いの団体のビジネスを理解できるように働きかけていました。デニス・サルセドのYoutube番組にゲスト出演した彼は、ショー開催の経緯を明かしました。
トニー・カーン(AEW社長)にメールを送ったんだ。「どうにかして合同で何かイベントを開催できないかな」って。そこから始まったんだろうと思う。それからすぐに、彼はカードについてのアイデアを送ってきてくれた。
正直に言うと、オカダ・カズチカ、ジェイ・ホワイト、ハングマン・ペイジの組み合わせから始まってさ。そこにアダム・コールが含まれていたかどうか、後から追加されたのかは覚えてないけど。とにかく、彼らが試合をするというアイデアはもともとあったんだよ。だから、それがForbidden Doorで実現したのは面白いね。
このやりとりがあったのは10ヶ月くらい前かな。ずいぶん前のことだね。これがきっかけで雪だるま式に進んでいったというか…。10ヶ月前のメールがきっかけで始まったんだよ。
俺は新日本とAEWの間を行き来して、お互いの団体のことを理解しあえるように努めた。アイデアだけじゃなくて、ショーに必要な感情だったり、全体的なことを伝える存在であろうとしてたね。例えば、「我々はああしたい。こうしたい。アメリカと日本のファンのことを忘れず、こんなやり方で対応する必要がある」みたいな感じ。異なるビジネスをしている2つの団体が、お互いのやり方を理解できるように分解するようなものだね。
AEWのビジネスモデルはアメリカの伝統的なテレビスタイルで、新日本は日本でツアーを開催することをベースとしている。これって全然違うことなんだよ。ブッキングのやり方も、ショーのやり方もね。だから、そのことを双方に説明する必要があった。
また、彼はケニー・オメガの重要性も説明しました。新日本プロレスで世界を変えようとし、AEWの副社長として現在進行形で革命を起こしているケニーについて、ロッキーは次のように語っています。
新日本とAEWの関係は薄い氷の上にあるようなものだった。The Eliteのレスラーたち(Cody、ヤング・バックス、ケニー・オメガ、ハングマン・ペイジ)が新日本を去って、彼らがどのように前に進んでいくのかを心配してたんだ。新日本はROHやCMLLと提携関係にあったから、「パートナーを怒らせないように、AEWとのビジネスに飛び込む前にその様子を見守ろう」という考えがあったのかな。彼らはROHから出ていった状態でもあったわけで。とても厄介で、複雑な状態だった。
さて、1年半前(2020年の年末〜2021年1月ごろ?)の話をしよう。ケニー・オメガが俺に電話をしてきて、扉をちょっと開くためのアイデアを伝えてきたんだ。ジョン・モクスリーとクリス・ジェリコはその時も新日本と仕事をしていたよね。一方で、ケニーとヤング・バックスはAEWに来る前に新日本で重要な役割を担っていたレスラーたちで、そんな彼らはAEWの副社長になり、大きな力を持つようになっていた。彼らのことを忘れるわけにはいかないね。
俺たちはお互いの間にある扉を開かなければならなかった。で、ケニーがノックしたわけだ。彼が俺に伝えてきたのは、「KENTAがAEWにやってきて、モクスリーと一緒に仕事をするのはどうかな。2人には新日本でのストーリーが既にあるでしょ」ってこと。そこからすべてが始まったようなものだ。ケニーから連絡があったその日から、俺は常にAEWと新日本の間にいるようなものだ。ずーっと続けてきたんだよ。
ケニー……!ケニーよ!ありがてえありがてえ
The Eliteが旗揚げした団体だという背景がここで効いてくるんですね。プロレスのなんと大河ドラマ的であることよ…。
(Fightful)