2020年に始まったAEWとインパクト・レスリング(現TNA)の業務提携は、2021年のBound for Gloryで終了しました。
両団体の提携における大きなトピックスはケニー・オメガとクリスチャンのインパクト参戦。2人ともインパクト世界王座を獲得してインパクトのビジネスに大きく貢献しました。しかし、2021年のBound for Gloryでクリスチャンがジョシュ・アレキサンダーに敗れてインパクト世界王座を失った後、両団体の提携は静かに終わったのでした。
元インパクト社長のスコット・ダモールは、最新のインタビューで「AEWとインパクトの提携はなぜ終わったのか?」というファンの謎に答えました。
まず、両団体の提携において最も大きな恩恵をインパクトにもたらしたのはケニーだったそうです。当時のインパクトはビジネス面で苦戦していましたが、ケニーの参戦は団体に大きな利益をもたらしました。彼はPPVの購入数やテレビ番組の視聴者数を向上させ、SNSでの盛り上がりも生み出しました。彼が参加したPPVは団体の歴史上最高の収益を上げたといいます。
しかし、ケニーの存在が非常に大きな提携だっただけに、彼が2021年秋に負傷で長期離脱を強いられたことは、両団体の関係に大きな影響を及ぼすことになってしまいました。ケニーはエディ・エドワーズやジョシュ・アレキサンダーといったインパクトの実力者たちとの対戦を望みましたが、ある種の制約によって試合は実現せず。こうした制約が提携の解消につながったそうです。
当時のケニーは「ベルトコレクター」としてあらゆる団体のタイトルを獲得。ヒールとして乗りに乗っていた時期でした。しかし、激しい戦いを繰り広げ続けたことによる身体へのダメージは大きく、様々な不調に直面することにもなりました。
インパクトは団体名をTNAに戻し、WWEと提携中です。ケニーが離脱していなければ、アレキサンダーらとの対戦を妨げる制約がなければ…。AEWとの関係はもっと続き、TNAとWWEの関係も今とは異なるものだったかもしれません。
(Inside The Ropes)