WWEを世界規模の団体に成長させたビンス・マクマホンは、2022年夏にウォール・ストリート・ジャーナルのスクープ記事を受けてWWEから身を引きました。しかし、2023年のレッスルマニア39には彼の影響が色濃く反映されていました。
現在は元WWE女性従業員への性的虐待疑惑で訴訟を起こされているビンス。2022年、彼が過去の性的問題行為を不正会計でもみ消したというスクープが報じられ、一時的にWWEから「引退」しました。しかし、2023年初頭に「WWEの売却」を目指して現場への強制復帰を果たします。
その時点で現場の指揮を取っていたのはHHHでした。しかし、Fightfulによれば、ビンスはHHHよりも強い立場で番組制作に再び口出しするようになり、レッスルマニア39に向けた番組構成にも積極的に関与。ストーリーラインが変更されたり、特定の選手が番組から外されたりと、ビンス印の采配が行われました。
エッジvsベイラー、当日に覆された結末
そして、レッスルマニア39当日も彼は采配を振るい、現場が混乱していたといいます。大会の目玉カードの一つだったフィン・ベイラーVSエッジ(現AEWコープ)の一戦は、本来であればベイラーが勝利して抗争を終える予定でしたが、ビンスが土壇場で介入してエッジの勝利に変更されました。ベイラーを勝たせるつもりだったエッジも困惑。このような変更はショーの当日に伝えられ、混乱を招きました。
統一王座戦への影響
一方で、レッスルマニア39で最大の注目ポイントになった「ローマン・レインズとの統一王座戦で、コーディ・ローデスがまさかの敗北を喫する」という結果については、ビンスは関与しなかったといいます。その後、コーディはスーパーベビーフェイスとしての立場をしっかりと固めました。この敗戦が彼のキャリアに与えたポジティブな影響は計り知れません。
そして、レッスルマニア39明けのRAWでは、ビンスが現場で大幅な台本変更を指示。ある関係者は、その様子を「ルーニー・テューンズのタズマニアン・デビルが脚本を引き裂いたようだった」と表現。その混乱ぶりを物語っています。
現場復帰したビンスの最大の目標だった「WWEの売却」は成功。WWEはUFCの親会社エンデバー社に買収され、新会社TKOの傘下団体となりました。現在のWWEは、ビンスの影響はほとんど見られません。好調なビジネスを続けており、2025年4月開催のレッスルマニア41でもヒールターンしたジョン・シナVSコーディ・ローデスなどの注目カードが目白押しです。
(WrestlingNews.co)
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