The Eliteメンバーを中心に創立した団体AEWで、ケニー・オメガは副社長の1人として女子部門を監督しています。これまでのPPVやDynamiteでは、日本人女子レスラーの活躍が目立っており、彼女たちにファンがついてきている状態です。
ケニーはAEWの女子部門について次のように語っています。
我々は世界中からタレントを集めている。私が最初から集中していたのは、世界的に見られる機会のなかった日本の女子レスラーを紹介することだ。スターダムは世界的な規模ではあまり知られていなけど、人々は彼らが何なのかを知っている。主にカイリ・セインと紫雷イオのおかげでね。彼女たちがNXTデビューを果たして以来、ファンはそのルーツをたどり、スターダムとは何なのかを理解した。それでスターダムのファンが増えたのは事実だけど、彼らが見たことのない、スターダムで活動していない女子レスラーやスタイルもあるんだよ。私が世界に向けて紹介したいのはそういった部分だ。
それこそが、私が担おうとしていることであり、引き受けたい義務なんだよ。イオがNXTユニバースで披露しているようなスタイルだけじゃないんだ。もちろん、イオのプロレスは素晴らしいし、空中技も凄いしね。そのすべてが見る側をワクワクさせてくれるプロレスだよ。でも、それが全てじゃない。プロレスの味わいは多種多様だからね。私はその中で、できるだけ多様性を見せたい。2020年は非常にエキサイティングな年になるだろう。多くのレスラーが参戦するからね。タレントプールを増やすことでファンがエキサイトしてくれるといいな。多くの素晴らしいパフォーマンスが見られるようになることを期待しているよ。
アスカ、カイリ・セイン、紫雷イオのWWEでの活躍によって日本の女子プロレスに関心を寄せる海外ファンが増えた中で、さらに女子プロレスの奥深さを知ってもらう。確かに、AEWの女子部門の中心選手は初代AEW女子世界王者の里歩であり、Dynamite放送後初のPPV”Full Gear”では彼女の師匠であるさくらえみとのタイトルマッチが行われました。彼女たちのことを知っていても、実際に試合を見る機会は海外ファンにとってはほとんどありません。ケニーの狙いは成功していると言えるでしょう。
ただ、AEWを見ているファンにとって、男子部門と女子部門に寄せる興味関心には大きな差があると見て間違いありません。ケニーが今後どのように指揮を取り、女子部門の人気を高めていくのか、楽しみです。
(Wrestling Observer)