新日本プロレスのハロルド・ジョージ・メイ社長がFox Sports Australiaのインタビュー記事の中でいろんなことについて語っていました。一部を紹介します。
レッスルキングダムの2日間開催
2020年の東京ドーム大会「レッスルキングダム14」は、史上初めて2日間に渡って開催されます(1月4・5日)。社長によれば、2日間開催は2020年という特別な1年に合わせたものなのだそうです。
2020年は東京オリンピックが開催されます。日本のスポーツや文化に世界的な注目が集まるでしょう。我々もその一部だと考えています。とりわけナイトライフのね。
日本は、日中に観光するにはとても良い国だけど、夜はそうではないと言われています。レストランやバーのような場所はあるけど、異なる種類のエンターテインメントはないんですよね。そのため、政府でさえ、プロレスをレストランに代わるナイトライフとして見ましょう、と言っています。
この計画は1年以上前に立てられ、会場の確保に動いたり、そもそもやるべきなのかどうかの決断を下したりしました。我々にとってもリクスがありますからね。いきなり2倍の人が来て、対処できるのか?と。普段とは違う特殊性をキープしたいので、今後も毎年2日に渡って開催しようとは考えていません。
メディアが流す噂について
プロレス界には、Dirt Sheetという業界の裏側を取り扱うウェブサイトがいいくつもあり、新日本関連の噂がそこから流されることもしばしばあります。本サイトも一応Dirt Sheetの1つです。
こうした噂について、社長は「それもプロレスの魅力の1つだ」と考えているようです。
世の中には多くの情報がありますが、中には多くの誤った情報や噂、誤解もあります。それらすべてがプロレスの一部でもあるのです。興味をそそられますよね。しかし、例えば、人々が歴史を確実に理解できるようにすることも重要です。特に海外では、日本よりもよりいっそう推測が盛り上がります。
日本人は真実を非常に重視します。おそらく教育制度の影響でしょう。だから、噂が流れにくい。もちろんみんながそうだけど、私が話題にしているのは推測や噂です。海外と比べると、日本ではこの手の話はかなり少ないのです。
この理由の1つに、我々が英語のコンテンツを十分に供給できていないことが挙げられます。そのため、海外のファンからは、日本のファンとは異なるリアクションがたくさん返ってくるんです。どちらの意見も受け入れていますが、残念なことに、情報不足に基づいたものが多いのです。我々が未だに十分な量の情報を提供できていないから。
ケニー・オメガの入国問題に関する噂について
以前、レスリング・オブザーバーは、11月3日に開催されたDDT両国国技館大会に出場するために来日したケニー・オメガが入国を拒否されそうになったという件を報じました。ネットユーザーの間では「新日本プロレスが関与したのではないか」という陰謀論に近い噂が流れ、社長がコラムで否定する事態にまで発展してしまいました。この件については下の記事でその経緯を詳しく説明しています。
社長はこの件についても語っています。
(入国拒否に関わろうなんて)やろうと思ってもできることじゃありませんよ。絶対にやりません。なぜか?彼は長年に渡って新日本プロレスに多大な貢献をしてくれたからです。憎らしいけど、ケニー・オメガは我々のトップ外国人レスラーで、IWGPヘビー級のチャンピオンでした。彼は新しい役割の中で自分なりのやり方で成長し続けています。我々は彼の成功を願っていますよ。(妨害なんて)絶対にしませんから。
新日本とアメリカ
2018年に本格化したアメリカ進出。その苦労と対策を語っています。
最大の障害は時差です。アメリカのゴールデン・タイム(月 – 土曜の20:00 – 23:00と日曜の19:00 – 23:00)にライブ・イベントを行うことはあまりできません。日本の夜の6時か7時にライブ・イベントを行うと、アメリカでは場所によっては午前3時なんですよね。レッスルキングダムのようなビッグイベントでもない限り、彼らを起こすことはできません。
今取り組んでいるのはサンプリング・マーケティングです。多くの場所で小規模なショーをすることで、人々は私たちのプロダクションがどのようなものかを実際に見ることができ、それを好きになったり、新日本プロレスワールドに加入したり、テレビ放送を見たりするきっかけを作ることができます。
AEWとの提携について
多くのプロレスファンが新日本とAEWの提携を夢見る中、両団体の関係は冷え切っているとされています。AEWの副社長であるニック・ジャクソン(ヤング・バックス)は、提携の可能性を”zero chance”だと明言しました。
しかし、可能性はあると社長は語っています。
誰かと共に仕事をすることについては非常にオープンな態度を取っています。誰も排除しません。しかし、企業間の信頼を築くのには時間がかかります。現在、AEWのことは調査段階にあります。彼らはブランドを構築しているところですが、そのブランドとは何なのか?団体創立から1年も経っておらず、彼らのブランドとは何なのかを見始めたばかりです。そして、そのブランドが新日本のブランドに適合するかどうかを見極める必要があります。
現時点では、彼らはまだ私たちとは違うスタイルを持っているということだけです。