アメリカでは国民への新型コロナウイルスのワクチン接種が急速に進み、必要なワクチン接種数の約半分が完了しています。政府は5月に「ワクチン接種を完了すればマスク着用の必要なし」という方針をとりました。しかし、デルタ株が猛威を振るいはじめ、感染者数が再び増加していることを受け、疾病対策センターは27日に「感染が深刻な地域では屋内でのマスクの着用を推奨する」という新たな指針を示しました。
ワクチン接種が進んだことにより、アメリカの大手プロレス団体は観客を動員しての番組収録を再開しています。しかし、状況の改善が見られない場合、再び無観客での収録を強いられることになる可能性もあります。
Bodyslam.netのキャシディ・ヘインズによれば、AEWの内部ではコロナを巡る状況に対して「大きな懸念が広がっている」とのこと。特にシカゴとニューヨークで開催予定のイベントへの影響を心配しているそうです。これらの都市では、感染者の急増を食い止めるための予防措置に積極的な姿勢を取っています。
今後のAEWにとって、シカゴとニューヨークは非常に重要な意味を持ちます。シカゴではPPV「ALL OUT」とPPV前のDynamiteを開催する予定で、WWEのビッグスターだったCMパンクが姿を現すのではないかと噂されています。また、ニューヨークでのDynamite収録はチケットの売れ行きが非常によく、同じくWWEのビッグスターだったダニエル・ブライアンの登場が囁かれているのです。
こういう時は最悪の事態を想定しておくのが普通ですよね。ヘインズによれば、AEWは先週の段階で「全米で規制がかかった場合」に備えた今後の計画に関する議論を活発化させているそうです。大富豪オーナーのお膝元であるジャクソンビルのデイリーズ・プレイスでパンデミック下での活動を続けてきたAEWですが、状況次第では再びこの会場に戻ることも検討しているとか。
団体が総力をあげてこの問題に取り組んでいるそうです。ただ、特にトニー・カーン社長が大変な状態になっているそうで、レスラー・スタッフ・ファンにとって何が正しいのか、どうすればいいのかの最終的な判断を下さなければいけない状態とのこと。責任重大……。
若い団体を着実に成功させてきた38歳の実業家は、この状況でどのように舵取りしていくのでしょうか。