先日、WWEはNXT所属選手12人を解雇しました。
NXTを仕切っているのはHHHですが、彼は選手たちの解雇に関与していなかったと報じられていました。解雇対象者の決定に携わったのは、ビンス・マクマホン、ブルース・プリチャード、ジョニー・エースの3人です。
「ビンスの後を継ぐのは彼だ」と考えられているHHH。いくら力を持っているとしても、彼にはどうすることもできない、覆しようのない出来事でした。タレント・リレーション部門の責任者であるエースが選手たちに解雇連絡を始めるまで、HHHは何が起きているのかを知らなかったそうです。
レスリング・オブザーバーのデイブ・メルツァーは、この件の背景に「有害な権力闘争」があると報じています。WWEの上層部は、もしHHHがトップに就任した場合、自分たちの立場が危うくなることを恐れており、そのようなことが起きないように彼を貶めようとしているとのこと。
HHHにも支持者はいますが、NXTがAEW・Dynamiteとの「ウェンズデー・ナイト・ウォーズ」に敗れたことで、彼を嫌う人たち、彼に取って代わろうとする人たちが動きやすい状況になってしまったとのこと。「WWEの後ろ盾があれば、新興団体との争いに勝つのは当たり前」というプロレス & テレビ業界の認識が覆ってしまったことの影響は大きいのでしょう。以前は、HHH関連の物事は「アンタッチャブル」だとされていたそうですが、もはや安泰ではなくなったようです。
権力者たちが自分たちの立場を第一に考え、選手たちを権力闘争の駒にしている。この状況について、複数の団体関係者が「有害だ」と考えているそうです。
また、インディシーンの有望株をかき集めるというHHHの選手獲得方針と、AEWへの人材流出対策により、NXTにはメインロースターとして活躍できる見込みのない選手たちがストックされるようになった、という指摘もあります。今後、NXTは「若手育成・体格重視」に路線変更していきますが、それはHHHの影響力が削がれていくことを意味するのかもしれません。
(Wrestling Observer, Cultaholic)