2019年のプロレス界はAEWを中心に回っているのかもしれません。1月に旗揚げが発表されてから、WWEは所属レスラーの退団を極力避けるために方向転換し、新日本プロレスは海外戦略の中心人物だったケニー・オメガを失いました。
新団体であるAEWは現代の価値観を導入している点でも注目に値します。副社長のマット・ジャクソンは、5月25日の旗揚げ興行”Double or Nothing”の観客席でLGBTレスラーのナイラ・ローズとソニー・キスに罵声を飛ばしていたファンを出入り禁止処分にすると公言しました。
ナイラ・ローズはトランスジェンダーの女子レスラー。ソニー・キスはgender-fluid(性別が流動的であること)です。AEW初のLGBTレスラーになったナイラ・ローズは、Sports Illustratedのインタビューの中で、レスラー人生とAEWとの契約について語りました。
レスラー人生について
プロレスラーは人前に立つ職業ですから、心無い発言に晒されてしまうこともあります。ローズはレスラー人生についてこう語っています。
悲しいことに、ネガティブなものはポジティブなものよりも目を引いてしまうようです。重圧に耐え、憎しみなどに耐え、それらを背負うことができた時、私は自分の強さを知ることになるのです。私を打ちのめす必要のある人たちがいて、次の世代、若い世代がより暮らしやすくなるために私がその行いに耐えなければならないのなら、私は喜んで受けて立ちます。
偏見をなくすことは困難ですが、立ち向かう価値のある障壁です。AEWという新しい団体でローズが見せてくれる生き様に期待したいです。
AEWとの契約について
ローズはAEW初のLGBTレスラーになりました。ローズは将来に目を向け、性別やセクシュアリティによって夢を叶える機会を失うレスラーが現れないよう、彼らにいい影響を与えたいと考えているようです。
AEWにはチャンスがあると感じています。私が望むのは、世の中の人々に、ちょっと頭の固いファンたちに対し、自分がリング上でできることを証明するチャンスを得ること。それだけです。
AEWは、ローズとの契約を発表した際に彼女がトランスジェンダーであることをアピールしませんでした。いつか当たり前になる時代がくるのかもしれませんね。
(参考: SESCOOPS)