新型コロナウイルスのパンデミックが猛威をふるっていた2020年から2021年にかけて、WWEは会場に大量のディスプレイを設置し、自宅で観戦するファンの姿を映し出すことによってライブ感を演出する無観客での番組収録を行っていました。
このスタイルは「ThunderDome」と呼ばれ、それ以前や以後にはなかった独特の雰囲気に包まれた番組が放送されることに。ファンは自宅で観戦する姿を全国放送されるということもあり、AEWのTシャツを着たりWWE的にタブーなものを画面に映したりといったトラブルもありました。
観客がいない中での番組収録に選手たちは困惑し、ファンからの評判もそれほど良くありませんでした。しかし、中には「あの時代だからこそ、もっとできたはずだ」と考える選手も。
サミ・ゼイン:俺の意見は、ショーをこれまでとは少し違った方法、違った文脈で見せる機会を逃してしまったんだと思う。観客の存在やセットはとても重要なものだけど、あの時はそれがなかった。我々のショーにとって、最も相互的に左右するユニークなものなんだけど。だからこそ、プロダクトを違う形で見せることができたかもしれない。個人的には、団体がそれをフルに活用できたとは思っていないよ。俺自身も、俺のキャラクターとしてもそうだ。もっといろんなことをする余地があったと思う。
Royal Rumbleで久々にWWEへ復帰したナイア・ジャックスもThunderDome Eraを好んでいたようです。サイン会でのQ&Aで、彼女は次のように語りました。
古き良きコロナ禍の活動。好きだったな。もっといろんな事ができたと思う。
新型コロナウイルスのワクチン接種に否定的だったこともあってWWEから解雇されてしまった…という噂もあったナイアですが、「あの時代だからこそ、もっと」という気持ちがあったのですね。