レスリング・オブザーバーのデイブ・メルツァーによる試合やショー全体の星取り評価は、良くも悪くもあちこちで話題になります。
1982年からレスリング・オブザーバー誌の発刊を続けるメルツァーの活動は、ジャーナリスト、歴史家レビュワー…などにカテゴライズすることができます。業界の裏側を報じ、プロレス界の歴史を語り、試合やショーの内容を5つ星でレイティングする、Podcastや動画を配信して最新情報や自身の意見を伝える。かなり精力的に活動しています。
オフィシャルになっていない物事を報じることや、プロレスラーとしての活動を一度も経験したことのない人物による星取りが強い影響力を持っていることに批判的な意見もありますが、もはや彼の存在はプロレスの一部になっています。
影響力を持っている彼の星取りは日本の激しい試合が好評価になりやすい傾向にあり、2010年代の新日本プロレスの試合を特に高く評価したことから、新日本の海外人気向上に貢献したことは否定できません。
彼の星取り評価は特に賛否が分かれがちで、単純に彼の好みに従っているだけだ、という批判の声が上がることも。WWEのセス・ロリンズは、最新のインタビューで否定派としての意見を明確に示しました。
彼は優れたプロレス歴史家だけど、あのレイティングはクソ。愚かだよね。試合の評価というものは主観的になるもので、観客が盛り上がる試合ならいいんだよ。試合はそれで終わり。その後で星をつけるなんてさあ、あんたは楽しいだろうけどよ…。まったく意味ないよね。
カート・アングルの試合に5つ星がついたこと、ないんだろ?歴代最高のレスラーの1人だぞ。こういうレジェンドがたくさんいるんだよ。
セスの試合が5つ星以上を記録したのは、2022年のHell In A Cellでのコーディ・ローデス戦だけ。最も5つ星以上の試合をしたのは新日本プロレスのウィル・オスプレイの26回。以下、三沢光晴の25回、オカダ・カズチカとケニー・オメガの24回、小橋健太が23回、川田利明が21回、鷹木信悟と棚橋弘至が16回…と続きます。メルツァーの好みに偏りがあるのは明らかです。