現地12月29日、ネット上でクリス・ジェリコの性加害疑惑が浮上しました。
ことの経緯は複雑です。
ハーヴェイ・ワインスタインとの比較
発端になったのは、Dirt Sheet「Haus of Wrestling」主宰のニック・ハウスマンがネット番組でジェリコをハーヴェイ・ワインスタインと比較し、批判したことでした。
ワインスタインはハリウッドの超大物プロデューサーで、数十年に及ぶ性加害が明るみに出たことで司法の裁きを受け、2020年に禁錮39年の有罪判決を受けました。現在71歳の彼にとって、事実上の終身刑宣告です。
ハウスマンは、ジェリコの被害を受けた人が大勢いる、という話題の中で、ワインスタインの名前を出しました。つまり、彼が性加害に加担している可能性を指摘した、ということです。
2つの推測
その後、ハウスマンがこの2人を比較した理由は、2019年にAEWの初期メンバーになりながらも数ヶ月で退団した女性レスラー、カイリー・レイに関連しているのではないか、という憶測が流れます。
また、2020年のプロレス界を揺るがした、男性レスラーたちによる性的問題行為を告発するムーブメント「#SpeakingOut」の際にデヴィッド・スターを告発した人物が「どれだけ多くの若い女性が、クリス・ジェリコについてポストすることが安全かどうか疑問に思っているだろう?」と発言していたことに、改めてスポットライトが当たりました。被害者は複数人いる可能性が浮上したのです。
これらはただの推測に過ぎませんでしたが、推測ポストに対してレイがXでハートマークの絵文字をリプライしたことにより、疑惑に信憑性が帯びるようになりました。
Worlds End
そして現地12月30日、 AEWはPPV「Worlds End」を開催。出場したジェリコは、一部の観客からブーイングを浴びることになりました。
Chris Jericho makes his entrance. Plenty of boos. #AEWWorldsEnd pic.twitter.com/0K9hSEK9XT
— Richard Staple, BSN, RN🇯🇲 (@RichStapless) December 31, 2023
ショー終了後に行われた記者会見に出席したトニー・カーン社長は、記者からジェリコの性加害疑惑について質問され、次のように答えました。
インターネット上の未確認の噂について話すことはできない。
我々は懲戒委員会を組織しており、懲戒プロセスを用意している。常にそれに従っているAEWは世界で最も安全なプロレス団体であり、安全に関して最高の実績を持っていると信じているよ。
そして、俺やオフィスの誰かに直接苦情を言うこともできる。我々はいつでも調査できる体制を整えているよ。
(Fightful)