プロレスラーにとって、日々の活動を通して得られる報酬は自身への評価とニアリーイコールです。近年は、彼らが大手団体との契約によって受け取る年俸の金額が上がっています。
レスリング・オブザーバーのデイブ・メルツァーは、現代のプロレスラーたち、特にトップレスラーたちは「プロレスの歴史上、最も高額な報酬を受け取っている」といいます。その背景にあるのは、WWEとAEWによるレスラー獲得競争、そしてWWEの収益力増大です。
メルツァーは次のように語ります。
今のトップ選手たちは「数百万ドル単位」で稼いでいる。ミリオン(100万)じゃなくて「ミリオンズ(数百万)」だよ。
過去には250万ドルが稀なケースだったけど、今じゃ年間500万ドルも珍しくない。
近年のWWEは、Netflixなどとの超巨額契約やPLEの成功により収益が増大しています。レスラーとの契約競争における強豪団体のAEWもまた、WWEがレスラーに提示する協力なオファーに負けないよう高額なオファーを提示。こうした競争の中で、レスラーは交渉力を強めています。
一方で、アメリカの大手団体による獲得競争は、海外市場に大きな影響を及ぼしています。メルツァーは、日本のプロレス界もその影響をから逃れられず、特に新日本プロレスへの影響が大きいといいます。
以前なら新日本プロレスがトップ選手を獲得できた。でも今は、AEWやWWEに比べると金銭面で全く太刀打ちできない。
昔は新日本やインディー団体で生活できていた選手もいたが、今ではそれが難しいんだよ。
レスラーたちにとって、高額な報酬が得られるのはポジティブなこと。プロレス団体には、彼らの興味を惹くような存在になること、強力なオファーを提示できるほど収益性を高めることが求められます。


(Wrestling Observer, Wrestling Inc)
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