レジェンドレスラーのアンダーテイカーが、現代のレスラーは業界史上最高の身体能力を持つ一方、「ストーリーを忘れがちだ」と指摘しました。派手な技はすぐに見慣れられるため、長く支持されるにはキャラクターで観客の感情を動かす必要があると語っています。
AAAでクリエイティブ責任者の重責を担うアンダーテイカーは、クリス・ヴァン・ブリエットのインタビュー番組「Insight」で、若いレスラーにどのような助言をしているか尋ねられました。最初に挙げたのは、難度の高い技がもたらす危険性です。
俺は、ああいうクレイジーな動き、俺が「クルクル技」と呼んでいるようなものについては、少し落ち着くよう伝えているよ。
プロレスは、そんなことをしない試合でも十分に危険だ。どんな試合でも、ほんの数センチずれるだけで本当に取り返しのつかないことが起きるんだよ。
それなのに、何かの上で2回後方宙返りをして人の上へ落ちるようなことを始めれば、危険性は飛躍的に高まるんだ。
ただし、アンダーテイカーは現在のスタイルや選手の能力を一方的に批判したわけではありません。現代のレスラーをプロレス史上最高のアスリートと評価したうえで、その身体能力がストーリーテリングより優先される場合があると指摘しました。
今いる選手たちの身体能力は、間違いなくこの業界の歴史上最高だ。
でも、その結果としてストーリーテリングを忘れてしまうことがある。ストーリーテリングは、クリエイティブ側が考えた抗争の筋書きだけを指すんじゃない。試合をどう組み立て、何を優先するかもストーリーテリングなんだ。
観客は難度の高い技にも見慣れる
アンダーテイカーは、身体能力と攻撃性を生かしながら、観客が見て意味を理解できる試合を作ることが必要だと説明しています。
だから俺は、身体能力を生かし、攻撃的に動きながらも、ファンが見て意味を理解できることに集中させようとしている。
見ていて「うーん」となるものはたくさんあるよ。身体的にできないことをやろうとしているから、そこで気持ちが離れてしまうんだ。たとえ実際にできたとしても、観客は本当に移り気だからね。
2回宙返りに半ひねりを加え、場外の相手へ飛び込むような技を見せたとする。それを2、3週続けて見れば、「わかったわかった。それはもう見たよ。次は何を見せてくれるんだ」となるだろ?
派手な技というのは、キャラクターに意味を持たせるのではなく、自分の仕事をさらに難しくしてしまうという効果をもたらすんだ。
長く支持されるために必要な感情
難しい技を更新し続けるのではなく、観客が勝敗を願う理由を作ることが長期的な成功につながる……というのがアンダーテイカーの考えです。身体能力と物語のどちらかを捨てるのではなく、両者のバランスを意識するよう若い選手へ求めています。
キャラクターによって、好意でも反感でも、何でもいいから感情を引き出そうとする。長く続くための鍵はそこだ。 観客が感情移入し、お前に勝ってほしい、負けてほしい、誰かを叩きのめしてほしい、逆にやられてほしいと思うようにするのさ。
身体能力とストーリーテリングの間には微妙な線引きがある。俺は若い選手たちに、ストーリーテリングについてもう少し考えてもらおうとしているだけだ。
(情報源: Insight with Chris Van Vliet / WrestlingNews.co)
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