ゲイブ・キッドが、柴田勝頼から腹の肉をつかまれ「ただのデブだ」と厳しく指摘されたLA道場時代を振り返りました。新日本プロレスで活動するために体重90kgを目標とし、2ヶ月足らずで約23kgを減量したと明かしています。
Podcast番組Talk Is Jerichoで、ゲイブは司会者のクリス・ジェリコに対して当時の道場生と自分との体力差を振り返りました。一方、イギリスで身につけたレスリングの技術には手応えがあったそうです。
俺が新日本に入れた理由の一つは、あれだったと思う。LA道場に2週間いたんだけど、最初の週末を迎えた頃だった。
道場の熱気やあの空気を感じながら、俺は毎日死にそうになってたんだ。ああいう練習をこなす身体ができてなくて、まったくついていけなかった。一方、ほかの道場生は1年間ずっとやってきてたから、何でもないようにこなしてたよ。
参ったな、と思ったよ。基礎練習じゃ全然ダメだった。でもレスリングの練習になったら、「柴田さんはイギリスのプロレスが好きなはずだ」って思ってさ。だから、イギリスで育つ中で自然と身につけた細かい技術をいろいろ出したんだ。
デイブ・テイラーとは何度も練習したし、ウィリアム・リーガルたちが地元に来てセミナーを開くたびに参加してた。そういう技術を見せたんだよ。
ゲイブは単に短期練習を経験するだけではなく、柴田が指導するチームに加わることを望んでいました。その思いを道場のキッチンで本人に伝えたところ、思いがけない返答を受けます。
ある日、道場のキッチンで柴田さんに言ったんだ。「柴田さん、俺はこのチームの一員になりたい。この道場の熱気が好きで、ここに自分のエネルギーも集中力も注ぎ込みたい。こういう人生を送りたいんです。チームに入りたい。どうすればいいですか?」ってね。
あんなに男としてのプライドを傷つけられたのは人生で初めてだったよ。当時は英語をほとんど話せなかった柴田さんが、俺の腹の肉をガッとつかんで、「これは強さじゃない。パワーでもない。ただのデブだ」って言ったんだ。俺は「何だと?おい、ぶっ殺すぞ」って思ったよ。
(ジェリコから「柴田の言っていることは正しかったんだろ?」と言われ)分かってるよ! でも面と向かって言われたら、「俺の腹をつかんでいるこの男は何様なんだ?」って思うだろ?
だけど、自分がどういう立場にいるのか考え直したんだ。選択肢は2つしかないってね。柴田さんは「90キロまで落とせ。そうすればやれる」と言った。90キロまで体重を落として、あの練習をこなせるようになればいいんだ、と。
こうして、ゲイブは柴田に認められるための肉体改造に取り組むことになりました。減量以前のゲイブは、筋肉をつけるために食べることを優先し、細身で腹筋の割れた体型にも抵抗があったそうです。
それまでカロリー計算なんて一度もしたことがなかった。身体を大きくしようとして、毎日チキンとライスのブリトーを食べて、パワーリフティングをやってたんだ。
そこで、今はカイル・フレッチャーのコーチをしている友人のリースに連絡した。「減量のことなんて何も知らない。助けてくれないか?」って。ありがたいことに、リースが栄養や食事管理の基礎を教えてくれたんだ。イギリスに戻って、2ヶ月足らずで50ポンド、約23kg落としたよ。
11月末に帰国して、1月には90kgに到達したんだ。毎朝6時に行って、一人でスクワットを500回やった。LA道場でやったメニューを全部覚えてたから、そっくりそのまま一人でこなしてたんだ。帰って仮眠して、起きたらジムへ行く。その繰り返しだったよ。
帰りの飛行機で考えたんだ。柴田さんの言うことを聞かない道もあるな……って。そのままイギリスでメインイベントに出続けることもできる。でも、相変わらず金がないままだ。それとも柴田さんの言うことを聞いて、本当に入りたかったチームの一員になるか……。
俺が望んでいたのは後者だった。それまで何度も「身体を絞った方がいい」って言われてたんだよ。でも、当時のイギリスのトップ選手はみんな腹筋が割れてて、俺はそういう見た目になりたくなかったんだ。「ブルーザー・ブロディやスタン・ハンセンみたいになりたい」って思ってたからさ。でも、ようやく変わると決めたんだ。
1月2日か3日だったと思うけど……。体重計の写真を撮って、柴田さんにメッセージを送ったんだ。数字は90kgか89.7kgくらいだったかな。「やりました」って添えてね。
1月4日、レッスルキングダムの日にはイギリスで試合が入ってた。ノッティンガムからニューカッスルまで3時間ほど移動する予定だったんだけど、出発前にどうしてもジムで練習したくて早起きしたんだ。あの頃は集中力がまるで違ったよ。「やり遂げた。あとは返事を待つだけだ」って気持ちだった。
ところが、試合前に向かったジムは週末のため営業時間外でした。開店を待つ間に立ち寄ったマクドナルドで、思いがけず柴田から連絡が入ります。
ふと携帯を見ると、柴田さんから不在着信があったんだ。「大丈夫ですか? 間違えてかけました?」って送ったら、すぐに折り返しが来た。「まずい。こんな場所にいるところを見せたくない。今すぐマックから出なきゃ」って思って、外に飛び出したよ。
すると柴田さんが「オーケー、やったな。事務所には伝えた。今年、お前は来ることになる」って言ったんだ。
「やった。俺は成し遂げたんだ!」って。あの2ヶ月間、寒い練習場に行ってトレーニングするために起きるのが嫌な朝も何度もあった。以前だって努力はしてきたけど、誰かに条件を突きつけられて、あそこまで自分を追い込んだのは人生で初めてだったんだ。あれは最後通告だったんだよな。
2020年1月25日、ゲイブはタイガーマスクと組んで石森太二&エル・ファンタズモ組と対戦し、新日本の公式戦デビューを果たしました。
(情報源: Talk Is Jericho)






