サミ・ゼインが、WWE入団時に現在のリングネームを選んだ理由を明かしました。アラブ系のルーツを名前に反映しながら、従来のステレオタイプな悪役とは違う姿を見せたかったといいます。
サミがWWEと契約する以前、インディ団体では覆面レスラー、エル・ジェネリコが活動していました。ジェネリコは世界中で愛されていましたが、メキシコで孤児の世話に専念するためにリングを去り、それと同時にWWEにサミ・ゼインが登場。素晴らしいパフォーマンスを何度も披露していくことになります。
クリス・ヴァン・ブリエットのインタビュー番組「Insight」で、サミは「NXTにジェネリコが登場するプランはあったのか?」と質問され、契約当初の戸惑いを振り返りました。
契約してもらったときは、何を求められているのか分からなかった。だって、WWEは俺のこれまでの姿を見て契約したわけだから、見たものが気に入ったんだろうとは思ったんだ。でも、何をやってほしいのかは分からなかった。
俺にはいろいろな面があるし、進め方もいくつもある。その一つが覆面だったんだ。
もう少し詳しく話すと、「リングネームを考えてくれ」と言われたとき、WWEが俺に何を求めているのか分からなかったから、名前をいくつかのカテゴリーに分けて考えたんだ。
見た目は赤毛だから、アイルランド人に見えるだろうし、テレビでは「シェイマスのいとこ」という設定でもいける。もしかすると、それを求められているのかもしれない…と思ったよ。
俺はフランス系カナダ人でもあるし、アラブ系でもある。メキシコ風の要素や覆面の要素もあった。だから、ただ漠然と名前をたくさん並べるんじゃなくて、そういう違ったカテゴリーごとに名前を出していたんだ。
「サミ・ゼイン」という名前に込めた思い
最終的に現在のリングネームを選んだ経緯を聞かれると、サミは自身の文化的背景と、アラブ系の人々が西洋社会でどのように描かれてきたかについて語りました。
大きなチャンスだと思ったのは、ある意味で自分自身としてやれることだった。俺の民族的なルーツや宗教は、もちろん自分の大切な一部なんだ。まあ、宗教については、ある程度という感じかもしれないけどね。
毎日そればかりを意識しているわけじゃない。でも、それらは今の俺を作ってきた要素の大きな部分を占めている。だから、それまでほとんどなかった形でそれを表現できるというのは、すごく魅力的だった。
アラブ系として育つと、そういうことに敏感になる。80年代や90年代、特に9.11以降の世界では、偏見や人種差別なんかが本当にひどかった。それが普通のこととして扱われ、受け入れられていた。西洋の文化でアラブ系の人たちがどう描かれるかといえば、ほとんどそれしかなかったんだ。
俺自身は西洋社会で育った。家庭ではアラブ人で、イスラム教徒として暮らしていたけど、外見だけなら普通の白人の子どもに見える。
だから、アラブ系でも、誇張されたキャラクター、特にアラブ系の悪役のステレオタイプを演じなくていいんだという、そういう境界を少し壊してみたかった。
ここで、インタビュアーのブリエットは、かつてWWEでアラブ系の悪役として登場したモハメド・ハッサンをステレオタイプの例に挙げました。これを受け、サミは自身が選んだリングネームについてさらに詳しく語りました。
皮肉なことに、あの人自身は実際にはアラブ系じゃなかったんだよね。でも、そういうステレオタイプには乗りたくなかった。
もう一度思い出してもらうというより、新しく知ってもらいたかったんだ。「ねえ、アラブ人だって普通の人間なんだよ」って。なんて画期的な考えなんだろうね! そういうことを見せられるのが、すごく魅力的だった。
それで、サミ・ゼインみたいな名前を候補に出していた。サミはアラブ系の名前なんだ。実は、俺の名前もサミと名付けられるところだったんだ。母親がそう名付けようとしていたんだけど、結局そうはならなかった。
ゼインもアラブ系の名前だけど、どちらも西洋の人にとってなじみやすい響きなんだ。誰でも発音できるし、言いにくさがない。
自分のルーツを名前に反映したかった。だからといって、カリーム・アブドゥル・アジズみたいな、いかにもアラブ系の長い名前にして、相手に「え?」と思われるような、距離を感じさせるものにはしたくなかった。そうして、この名前が定着したんだ。
(情報源: Fightful)







