先週木曜日に行われたAEW・Dynamiteの収録中に重症を負ったと報じられた怪奇派女性レスラー、アバドン。一体何があったのでしょうか?
レスリング・オブザーバーによれば、タイ・コンティとの試合中に彼女の肘が喉を直撃したとのこと。呼吸ができなくなり、試合は中止され、状況を判断するために病院に運ばれたのだそうです。想像するまでもなく、文字を読むだけでも辛そう…。
かなり苦しそうなアバドンですが、医者は長期的なダメージは残らないと判断したそうです。
これ以上の詳細が明らかになっていないのでなんとも言えませんが…全日本剣道連盟が「突きが喉を直撃、どうしよう」というページを公開していたので、一部を引用します。
1.気管への衝撃(中央部)
一瞬窒息を生じるような事態です。両手で喉をおさえるような仕草(窒息のサイン)で判断できます。面を外し、できるだけ本人が呼吸のしやすい体制をとります。甲状軟骨(のど仏)やその下の舌骨が骨折するような事態では、時間と共に気道が閉塞されていくことが予想されるため、救急車を要請し緊急気道確保の処置ができる体制をとります。4.1から3の治療のポイント
救護のポイントは ①気道の確保 と ②頸椎保護 ③ログロール操法による頸椎保護です。呼吸苦を訴えるようであれば、救護医による、気道確保の要否判断が最重要となります。首の周辺の頸部痛、甲状軟骨の異常、皮下血腫、皮下気種、発声の異常、頸動脈拍動異常などを丁寧に調べ、聴診で気道狭窄、頸動脈血管雑音などを調べます。この付近の外傷では生命や重大な機能障害にかかわるケガとなりうること,遅発性に問題が生じる可能性があることなどを十分に考慮し、ひとつでも異常サインを認めたなら頸椎や背骨を大きく動かすことなく、救護医が頭と首を動かぬよう両手でしっかり支え、左右4人ずつ、8人くらいで体全体を一本の丸太のようにして(ログロール操法)扱います。面を外すのに手間がかかったり、頭や首を動かすことが予想される場合は、躊躇することなく面紐を切断してください。手足に脱力やしびれを生じているときには緊急X線検査やMRI撮影が必要となります。頭や首を受傷後不適切に動かしたために、後に大きな脊髄損傷(両下肢麻痺、四肢麻痺)を生じることがありますので、必ず救護医の指示のもとに、頭から首にかけては決して大きく動かさないように注意してください。
ここまで深刻な状態になっていなければいいのですが、呼吸ができなくなったしまった、というのは「1.気管への衝撃」の症状に当てはまります。医者が「大丈夫」だと判断したのは適切な処置があったからかもしれません。
(Wrestling Observer)