2022年6月、元WWE女性従業員との不倫や口止め料300万ドルの支払いが報じられたビンス・マクマホン。最高責任者である彼のスキャンダルは団体を大きく揺るがしました。ウォール・ストリート・ジャーナルという超有名誌のスクープであることも影響し、この件は普段WWEを見ていない層にも届き、様々なリアクションを呼び起こすことにも繋がりました。
昨日、ウォール・ストリート・ジャーナル誌はビンスに関する新たなスキャンダルを報じました。なんと、彼は「性的非行や不倫の疑惑を抑えるため」、過去16年間で1200万ドル以上の口止め料を支払うことに同意していたというのです。6月に報じられたようなことを繰り返しやってきた人だった、ということが報じられた、ということですね。
「口止め料」は、ビンスとの関係について話すことや、彼に対する法的請求の可能性を放棄する秘密保持契約に合意した4人の女性に対して支払われました。今回のスクープでは、女性たちがどのような経緯で口止め料を受け取ることになったのかという経緯まで詳細に報じられています。2000年代前半にビンスから凄まじいレベルのセクハラを受けた元女性選手に対して支払われた750万ドルが最も高額で、これは2018年に元選手からビンスへ「接触」があり、その後に支払われたものだといいます。元選手に対するビンスの扱いをハッキリ書かないと10年以上経ってから「接触」があったことへの誤解・誤認が出るかもしれないので書きますが、元選手はビンスから性交渉を強要され、その関係の継続を拒否した後でビンスから降格&契約更新の拒否があったとのことです。酷いとしか言いようがない…。
現在、WWE役員会は、6月に報じられたスキャンダルに加え、元選手との秘密保持契約についても調査を行っているそうです(調査の指揮を執るのは社長のニック・カーン)。この調査が続いている間、ビンスは会長兼CEOの職から離れ、クリエイティブ・コンテンツの仕事に専念することになりました。また、ビンスと同様に過去の不品行疑惑が浮上し、休職することになったジョニー・エース(ジョン・ロウリネイティス)についても調査が行われており、彼のキャリアはかなりの窮地に追い込まれることが予想されています。
WWE役員会の動きまでセットで報じられているということは、どこからか情報が漏れていると見て間違いないでしょう。団体内の権力構造は転換期を迎えているようです。