チケット価格の高騰、2027年のレッスルマニア43のサウジアラビア開催、ジョン・シナの引退試合が地元マサチューセッツ州で行われない…。WWEの親会社TKOによる利益重視の方針は、各方面に大きな影響を与えています。
ビンス・マクマホン時代のWWEはファミリー層向けのビジネスを展開し、チケット価格もそれを意識したものでした。しかし、TKOのマーク・シャピーロCOOは「ビンスは収益化に注力していなかった」とし、収益化第一のビジネスへ舵を切りました。
サウジ政府はレッスルマニア43に巨額の予算をつぎこむ予定。本来は地元マサチューセッツ州のボストンで引退する計画もあったシナは、ボストンが「WWEから要求された高額な開催費用の負担を拒んだ」ことにより、ワシントンDCで引退することになりました。「WWEと金」に関する話題は事欠きません。
そんな状況について、かつてWWEで上層部の一人として働いたことのあるAEWジェフ・ジャレットが自身のPodcast番組で持論を展開。TKOの最優先事項は「株主価値」であり、WWEに対する感情的な愛着を欠いていると指摘しました。
ビンス・マクマホンは、良くも悪くもWWEを築き上げた人物であり、彼はファンのために最善だと考えることを実行してきた。そうやってWWEを成功に導いてきたんだよ。一方で、TKOのアリ・エマニュエルCEOとTKOの取締役会にとっての最優先事項は、いかなる犠牲を払ってでも株主価値を提供することだ。
アリはチケットの完売を嫌っている。なぜなら、「チケット価格を十分に高く設定しなかったから、チケットが完売してしまった」という思考回路を持っているからね。
つまり、彼らの考え方はこうだ。「ああ、ビンスは素晴らしい仕事をしてこのビジネスを築いたが、彼は本当に何をすべきかを知らなかった。彼はファン十分な金額を請求しなかった。我々はファンもっと高値を請求するぞ」とね。
TKOの利益重視の方針には「従来のファン離れを招いてしまう」と批判の声もあります。しかし、この方針では、そうした批判は「聞くに値しないもの」として切り捨てられるでしょう。せめて、チケット価格を下げ、ショーを気軽に会場で観戦できるようにしてほしいと思います…。



(Fightful)
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