WWEが立ち上げたインディーレスラーとの新たな契約・育成プログラム「WWE ID」。参加する若手選手が、予定していたインディ団体のショーを直前で欠場するケースが複数発生し、問題視されています。
レスリング・オブザーバーの最新報道により、その背景にあるEVOLVE収録スケジュールの実態や、レスラーたちが直面する過酷な「板挟み」の状況が明らかになりました。
先日、インディ団体PRODUCEのショーに参戦予定だったWWE ID参加レスラーのマーカス・マザーズとチャズ・”スターボーイ”・ホールが「WWE側の都合」により欠場することになりました。
WWE ID参加レスラーは、WWEの若手ブランドである「EVOLVE」の収録を優先する契約となっており、そのスケジュール次第では、元々予定していたインディ団体への参戦をキャンセルせざるを得ないケースが発生しています。
これを受け、PRODUCEのプロモーターは「WWEはIDプログラムの本来の姿を偽り、レスラーたちを騙した」と非難。さらに、このように直前で出場キャンセルとなったレスラーに対しては、今後の出場契約を打ち切るという強硬な姿勢を示しました。
WWE ID参加レスラーがインディ団体との間で「板挟み」になる理由とは?
レスリング・オブザーバーのデイブ・メルツァーによれば、こうした事態の原因はWWE側のスケジュール変更にあるといいます。WWE ID参加レスラーたちが出演するEVOLVEの収録が「月1日」から「月2日の連続収録」に変更されたことで追加日程が発生し、結果としてインディ団体の予定をキャンセルせざるを得ないレスラーが続出しているようです。
さらに、ブライアン・アルバレスは、レスラーたちがインディ団体とWWEの間で完全な「板挟み」になっている現状を指摘しています。
レスラーたちは、インディ団体での注目度の高い試合を「自分たちの責任」で獲得しなければなりません。そうした話題集めの努力を怠れば、WWE IDの契約を解除されてしまう可能性があります。
その一方で、EVOLVEの収録スケジュールが急遽入れば、せっかく獲得したインディの試合もキャンセルしなければならないのです。
自力でプロレスラーとしての価値を高めることを求められながらも、WWEの直前のスケジュール変更に振り回されてしまうという、若手レスラーにとっては非常に過酷な状況が浮き彫りになっています。
こうした報道が重なり、業界内でも「WWE ID契約はインディーレスラーにとって本当にメリットがあるのか?」と疑問視する声が上がり始めています。アルバレスによれば、若手レスラーの中にはすでに「WWE IDに参加するメリットがない」と語る者もいるとのことです。
WWEからの強力なバックアップと将来の契約チャンスを得られる一方で、現在のインディ活動には深刻な制限が生じてしまう「WWE ID」。
Wrestling-NOW編集部としては、若手レスラーたちがこのメリットとデメリットの狭間で苦渋の決断を迫られる現状において、WWE側がいかにプログラムの運用やスケジュール管理を改善していくのか、今後の対応に強く注目しています。
(Wrestling Observer)
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