サウジアラビアでのPLE・Crown Jewel開催をめぐり、元WWEのマンスールが、レスラーにとって遠征を断るのは簡単ではないと訴えました。「どの団体でも、俺たちにはほとんど交渉力がないんだ」と語り、家族を養うために団体の方針に従う選手たちの立場を明かしています。
WWEは現地11月7日開催予定のPLE・Crown Jewelを首都リヤドで開催する方針です。しかし、中東情勢は非常に不安定で、サウジアラビアも危険な状況にあります。現地では空港などへの攻撃が続き、大会の会場も屋外仮説会場から屋内のANBアリーナへ変更されました。
サウジアラビア出身で、現在はAEWに所属するマンスールは、WWE時代の現地2019年6月7日開催のSuper ShowDownで、50人バトルロイヤルに優勝しました。母国のプロレスが盛り上がることは彼にとっても喜ばしいことですが、中東情勢が非常に不安定な中で、選手たちが不安を抱えながらサウジへ渡航すること、そしてショーに参加することに辛さを感じているそうです。
マンスール「どの団体でも、俺たちにはほとんど交渉力がないんだ」
レスリング・オブザーバーの独占インタビューに応じた、マンスールは、安全への不安がある中でも大会へ向かうレスラーの立場を説明しました。
さらに、マンスールはWWEがCrown Jewelの開催を維持しようとする経済的な事情にも触れました。大会を取りやめた場合の影響にも考えを巡らせています。
サウジ大会は1大会約5000万ドル規模。WWE内部では渡航への不安も
WWEは2018年からサウジアラビアとの提携を続けてきました。プロレスビジネスを分析するWrestlenomicsは、WWEの財務資料などを基に、サウジ大会1回あたりの収入を約5000万ドル(約80億円)と推計しています。2027年にはリヤドでレッスルマニア43を開催することも決まっており、両者の関係は長期にわたります。
その一方で、現地への遠征を不安視する声も出ています。現地10月16日、レスリング・オブザーバーのデイブ・メルツァーは、渡航したくないと口にした一部のスタッフにWWEが不快感を示したと報じました。スタッフがWWEと同じ方針で行動していることを示したいのだろう、とメルツァーは指摘しています。
現地10月28日には大会の会場変更が発表され、屋外の仮説会場から屋内での開催へ切り替わりました。同日、WWEの親会社TKOのマーク・シャピロ社長兼任COOは、社内会議で「何よりも安全を優先する」と説明。危険が生じたり紛争がさらに激化したりした場合には、予算への影響があっても大会を中止すると明言しました。
しかし、レスラーが渡航を断れるかは別の問題です。メルツァーは、「大会に参加予定だった選手がCrown Jewelへの参加を取りやめたという報告はない」と伝えました。一方、取材に応じたWWEのトップ選手は、渡航を断ることはWWEからまったく勧められていない状況のようです。
さらに現地10月31日、Fightfulは、トップ選手を含む複数のWWE選手が、安全面を理由に今回の大会には出場したくないと伝えていたと報じました。すでに出場が決まっている選手にも不安の声があり、WWE側は安全対策を優先すると説明したとされています。参加予定の選手たちに予定変更の意思はない一方で、全員がそうした考えを持てているわけではないことが、この2つの報道から分かります。
サウジアラビアで育ったマンスールは、故郷の被害をどう受け止めているかについて、次のように語っています。
(情報源: F4W Online / POST Wrestling)







